米スーパーマーケット最大手のクローガーと半導体大手のエヌビディアは、デジタルツインと人工知能(AI)を活用した鮮度管理や物流効率化などで協業する。オハイオ州シンシナティにあるクローガー本社に、AIラボ(研究開発施設)とデモンストレーションセンターを立ち上げる。
両社は、(1)コンピュータビジョン(コンピュータによる画像処理や認識)とアナリティクス(データ解析)を通じた鮮度劣化の兆候発見、(2)ラストワンマイル配送の動的な経路決定、(3)デジタルツインによる店舗シミュレーションを通じた店舗の効率化および業務プロセスの最適化、などの分野で協業する。
本社に開設するラボでは、エヌビディアの小売向けAIソフトウェア群とデジタルツインによるシミュレーション構築基盤、AI技術を活用した物流効率化ツール群を用いた研究開発を行う。エヌビディアの半導体を搭載したAIシステムを導入し、クローガーの約2800店舗で活用可能な解析結果を収集する。
エヌビディアのバイスプレジデント兼リテール担当ゼネラルマネジャーのアジタ・マーチン氏は、「エヌビディアとクローガーのAIおよびデジタルツインにおける協業は、デジタルテクノロジーにおけるクローガーの優位性をさらに強化するものになるだろう。エヌビディアAIにより、買物客は物理的な店舗およびオンラインで、よりパーソナライズされた体験を得られるようになる」とコメントしている。