CtoC だけじゃない 中古品EC 拡大を促す2つのドライバーとは

解説:前島 有吾(ローランド・ベルガープリンシパル)、阪本 賢祐(ローランド・ベルガー シニアコンサルタント)
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領域拡大を続けるセカンドハンドEC

 近年、メルカリなどをはじめとするCtoC(消費者間取引)型ECの市場規模が取引金額ベースで2兆円に到達するなど、テクノロジーの進化が可能にした需要と供給のマッチングにより、セカンドハンドEC(中古・リユース品を扱うEC)の利用は爆発的に拡大している。本稿では、単に足元でCtoC型ECプラットフォームの利用がさらに拡大していくということではなく、セカンドハンドECの領域自体が拡大していく可能性について触れる。

 現在、セカンドハンドECの主戦場は「消費財×CtoCプラットフォーム」である。しかし今後は消費財の原材料や、生鮮食品など対象商品は拡大することが考えられるうえ、販売形態に関してもBtoC(企業から個人への取引)や、たとえば「グーネット」(中古車買取)のようなCtoB(個人から企業への取引)へと広がることが想定される。

ECイメージ
近年、テクノロジーの進化が可能にした需要と供給のマッチングにより、セカンドハンドECの利用は爆発的に拡大している(写真はイメージ、i-stock/ipuwadol)

 このような構造変化は、①サステナブルな社会の実現と、②企業・個人双方における利潤の追求、という2つの要素により促進される。これらのドライバーを詳しく見ていこう。

食品から非食品へ、広がるサステナビリティの取り組み

 まず①サステナブルな社会の実現については、日本でも「サステナビリティ」という言葉が声高に使われるようになって久しい。しかし、それを「本当に差し迫った問題」として肌感覚で考えられる人は限定的である。

 対して、先進地域である欧州においては、日本とはまったく異なったレベルの意識をもとに、社会全体で議論が進んでいる。たとえば2019年に

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