IPOした人気物流コンサルが語る小売業のオムニチャネル化が避けられない理由

取材・文=兵藤雄之
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2021年3月26日、ECの物流代行、物流コンサルティングを事業内容とするイー・ロジット(東京都)が、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場に上場した。同社の戦略と今後のECの行方を角井亮一社長に聞いた。 

EC専業の物流代行国内トップクラス

 イー・ロジットはインターネット黎明期の2000年2月の設立で、ECとともに成長のあとを刻んできた会社だ。「戦略物流」(売上につながる物流)という概念を確立し、専業としてEC通販事業者をサポートしてきた。ECの物流代行の取引社数は276社、EC専業の物流代行としては国内トップクラスの規模になる。創業から20年以上を経ての上場というと、成長企業というイメージを抱きにくいかもしれないが、同社の場合は違う。新型コロナ感染拡大によるEC需要の増大をさらなる追い風に成長スピードを加速させているのだ。

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イー・ロジットは、新型コロナ感染拡大によるEC需要の増大をさらなる追い風に成長スピードを加速させている i-stock/Tempura

 「電子商取引に関する市場調査」(経済産業省)によれば、イー・ロジットの顧客が主に対象とする消費者向け物販のEC市場は、この5年の年平均成長率が8.55%(2015年~19年)であるのに対し、同社売上高の年平均成長率は29.4%(2017年3月期~21年3月期)と、3倍以上の伸びになっている。

 また、21年3月期の売上高は前期比23億1100万円の増収(同27.6%増)だったが、既存顧客の出荷量拡大によるところが大きいという。

 「成長する会社ほど、当社を頼りにするし、付き合いも長い」(角井社長)

 あるディレクト・トゥー・コンシューマー(D2C)の急成長企業では、ECの物流代行を同社に変更したところ、一気に売上が倍増した。以前の会社では受注の急拡大に対応しきれなかったものが、同社への切り替えにより、ボトルネックが解消されたのだ。急激な受注量の変化に無理なく対応可能なイー・ロジットへの信頼も厚いという。

楽しい買物と楽しくない買物

 ECはこのコロナ禍において成長をし続けている領域だ。

 EC利用世帯の推移を見ると、

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