「ネットスーパーアプリ」リリースでねらう年間EC売上高100億円 ライフが発表したアプリの実力は?
今後の課題は“品揃え”
またライフでは、自社ネットスーパーと並行してアマゾンでもECストアを展開しているが、「アプリの導入やシステムの刷新に関係なく、今後もこの併走状態は続けていく」(加藤氏)という。その理由は、自社ネットスーパーのユーザーがもともとその実店舗の顧客であるのに対し、アマゾンで購入するのはもともとライフの顧客ではない層が多く、“住み分け”ができているからだ。自社サービスとアマゾン側とでの配送エリア重複なども意識せず、それぞれがサービスを拡大していく方針だ。
今後の課題として加藤氏は、実店舗の品揃えに比べ、ネットスーパーの品揃えにまだ制限が多いことをあげた。「ネットでもリアルでも、気にせず欲しい商品に触れてもらうためには、品揃えを同じにしなければならない」(加藤氏)。実現のためにはリアルタイム性の高い在庫管理が必要になるが、10X代表取締役 矢本真丈氏は、「立ち上げの手間を最小限にし、その分UXの作り込みや在庫管理といった細かい要望に答えやすいのが『Stailer』の強み。在庫の即時管理は解決すべきことも多いが、(ライフ側と)一緒に取り組んでいければ」と意欲的に語った。
ライフは2021年度、20年の約2倍に当たるEC売上高100億円を目指す。10Xとの協業のために、加藤氏が室長を務めるCX共創推進室を21年2月に設置するなど、ライフ側のEC改革にかける熱意は高い。加藤氏は「(10Xは)現場の仕組みや思いをよくわかってくれている。ただ単にアプリを導入するためだけのパートナーではなく、事業パートナーとして今後も協業していきたい」と締め括った。