欧州のみならず米国でも 政府の規制強化を受けるアマゾン
EUが問題視した「二重の役割」
欧州連合(EU)の欧州委員会は11月10日、米アマゾン(Amazon.com)に、EU競争法違反の疑いに関する暫定的な見解を示す異議告知書を送付したと明らかにした。同書では、アマゾンが小売業者から得たデータを自社の販売に使用することは競争法に違反すると指摘。欧州委員会によると、出品者の非公開データにアクセスして得た情報をもとに、リスクを回避しつつ、優越的な立場で自社商品を販売したという。具体的には、ECサイト内のマーケットプレイスにおいて、受注数や出荷単位、売上高、訪問者数、苦情といった情報にアクセスしていたとみられることが問題視された。
さらに欧州委員会は、アマゾンでは大量のデータを組織的に利用できるようになっており、自社の品揃えや戦略的意思決定に活用し、出品者に不利益を生じさせているともみている。たとえば、すべてのベストセラー商品カテゴリーで、自社商品を優位に扱うことが可能だと指摘している。
欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー執行副委員長は、「アマゾンはマーケットプレイス運営者であり、小売業者でもある。その“二重の役割”が競争をゆがめてはならない」と述べた。一方、アマゾンは「同意しない」と反論。「過去20年間、当社ほど小企業を大事にし、支援してきた企業はほかにない」と主張している。
「カートに入れる」ボタンも議論の俎上に
欧州委員会が調査を本格化させている案件はもう1つある。
1 2
月刊アマゾン の新着記事
-
2024/09/19
アマゾンのドローン配送が拡大フェーズへ!認可された「目視外飛行」とは? -
2023/05/18
アマゾンの最新ロボットアームは「倉庫完全自動化」を実現するか? -
2023/04/24
メタやグーグルへの脅威に!アマゾンの広告事業が急成長する事情 -
2023/03/16
アマゾンCEO、リアル店舗の拡大再開に意欲 食品・日用品で攻勢かける -
2022/12/29
アマゾン、成長鈍化で人員削減は不可避に……創業以来最大のリストラへ -
2022/11/24
アマゾンの経営スタイルに変化? ジャシーCEOの方針に”困惑”の声も……
この連載の一覧はこちら [32記事]
アマゾンの記事ランキング
- 2024-10-05次世代型「AIショッピングアシスタント」とは
- 2024-05-29利用減少から一転、会員数過去最高のアマゾン・プライム 復調の理由は?
- 2019-06-21アマゾン×ライフに立ちはだかる 生鮮宅配の王者、生協の壁
- 2019-12-30英料理配達企業へのアマゾン出資巡る調査、第2段階に移行=当局
- 2020-07-07数々の米アパレルを死に追いやったアマゾン・エッセンシャルズ静かに日本に上陸
- 2021-11-10「アマゾン・ブックス」の凄みがわからなければ、デジマの本質は理解できないといえる理由
- 2023-04-19アマゾンゴー米国8店舗閉鎖の理由と、クローガーの年10億 ドルリストラ策
- 2024-08-28米アマゾンがレジレス戦略見直し! 「ダッシュカート」を大規模展開へ
- 2020-01-31アマゾン、19年度の売上高は20.1%増、サブスクやAWSの高成長続く
- 2020-12-02米大手スーパーが導入した自動ショッピングカート洗浄機は日本にも上陸するか?
関連記事ランキング
- 2024-10-05次世代型「AIショッピングアシスタント」とは
- 2024-05-29利用減少から一転、会員数過去最高のアマゾン・プライム 復調の理由は?
- 2019-06-21アマゾン×ライフに立ちはだかる 生鮮宅配の王者、生協の壁
- 2019-12-30英料理配達企業へのアマゾン出資巡る調査、第2段階に移行=当局
- 2020-07-07数々の米アパレルを死に追いやったアマゾン・エッセンシャルズ静かに日本に上陸
- 2021-11-10「アマゾン・ブックス」の凄みがわからなければ、デジマの本質は理解できないといえる理由
- 2023-04-19アマゾンゴー米国8店舗閉鎖の理由と、クローガーの年10億 ドルリストラ策
- 2024-08-28米アマゾンがレジレス戦略見直し! 「ダッシュカート」を大規模展開へ
- 2020-01-31アマゾン、19年度の売上高は20.1%増、サブスクやAWSの高成長続く
- 2020-12-02米大手スーパーが導入した自動ショッピングカート洗浄機は日本にも上陸するか?