「地雷系」ファッションに勝機あり?越境EC「Temu」に夢展望が国内企業初出店!

2024/12/20 05:59
上林 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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RIZAPグループ(東京都/瀬戸健社長)の傘下で、アパレルEC事業などを手がける夢展望(大阪府/塩田徹社長)は2024年10月、中国発の越境ECサービス「Temu(テム)」と連携することを発表した。成長著しいオンラインショッピングモールへの出店は、夢展望の海外展開の足掛かりになるのか。同社に提携の経緯や今後の事業戦略を聞いた。

夢展望が展開する量産型ファッション「DearMyLove」

「Temu」の驚異的な成長スピード

 ニールセンデジタルが発表している、Monthly Totalレポートをもとにした2024年5月におけるオンラインモールの月間利用状況によると、最も利用者数が多かったのは「Amazon」で、月間利用者数は6724万人だった。2位は「楽天市場」で6631万人、3位は「Yahoo!ショッピング」で3541万人と続いた。
 そうした中、4位にランクインしたのが昨年日本市場に参入して急速に利用者数を伸ばした「Temu」だ。同月の「Temu」の月間利用者数は3106万人。ちなみに5位には、セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長)の「Omni7」が1840万人でランクインしている。「Omni7」に大差をつけて4位にポジションをつけていることを考えると、「Temu」の驚異的な成長スピードがわかるだろう。
 「Temu」の最大の特徴は、圧倒的な低価格と取り扱い商品の多さだ。2022年9月にアメリカ市場に参入してから、欧米諸国や東南アジアなどで事業を拡大。10月時点での進出先は82カ国・地域となり、急速に利用者数を増やしている。
 そして今年10月、「Temu」との連携を発表して業界人を驚かせたのが、ECを中心にアパレル事業を展開する夢展望だ。

起爆剤としての「海外展開」

 主に、「アパレル事業」「ジュエリー事業」「トイ事業」を手がける夢展望。24年11月に発表した2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上収益が22億円だった。前年同期との比較では1.9%減となったものの、第3四半期以降は、Temuとの連携によりアパレル事業が伸長することが期待される。
 同社は24年7月以降、抜本的な方針転換を図り、「業務Speed重視」「社内Communication強化」「Ownership促進」を推し進めるとともに、8月以降は海外展開を本格化している。
 米国、中国、韓国、台湾の主要な事業社と連携した越境ECによる販売を開始した結果、7月から9月における同社単体の売上高は対前年同期比が15%増となったほか、トイ事業も増収増益で好調だった。同社は「Temu」単体に依存するのではなく、複数のプラットフォームを活用した総合的な海外展開を引き続き進め、通期での売上伸長をねらう。
 日本国内の企業が「Temu」に出店したのは、夢展望が初だという。なぜ、同社は「Temu」での商品販売を決めたのか。夢展望の副社長執行役員を務める津田茂寿氏は「最も勢いのあるECと意気投合し、うまく接触できた」と振り返る。

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記事執筆者

上林 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集者

2000年生まれ。埼玉県出身。法政大学文学部英文学科卒業後、地方新聞社の営業職を経て株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。

流通小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部で執筆・編集を行う。

趣味はお笑い鑑賞、音楽鑑賞。一番好きなアーティストは椎名林檎。

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