ウサギオンライン3年連続2桁成長!若い女性の心をつかむ手法とは
リアル店舗は前期末から倍増へ
上海や中国全土のロックダウン(都市封鎖)によって商品の入荷が遅延し、4月以降の売上が苦戦した。ただ6月上旬に上海のロックダウンが解除され、港や工場に滞留していた商品が動き始め、7月に夏物の配送がほぼ全て終わったことから、今後は通常稼働が期待されている。
同社が運営するリアル店舗「ウサギオンラインストア」はサイト立ち上げと同時に数店出店したが、その後は停滞していた。だが22年8月期は一気に5店(フランチャイズ店を含む)を出店し、期末には10店と前期末に比べ倍増する。昨年9月に静岡パルコ(静岡市)と遠鉄百貨店(静岡県浜松市)、今年4月にTフェイス(愛知県豊田市)とカメイドクロック(東京・亀戸)に出店した。8月にはグランツリー武蔵小杉(神奈川県川崎市)にもオープン。標準売場面積は30~40坪。
「サイトでは関東、関西、九州在住者の購入が6割以上を占め、都市部に集中している。主要都市以外のお客さまにもより周知していきたい。今後はそういった都市にも積極的に出店したい」と須藤社長はリアル店舗の拡大に意欲的だ。
リアル店では客とのタッチポイント(顧客接点)としての役割を重視し、ブランド販促などに取り組む。ファッションだけでなく時にはキャンペーン企画でアーティストと組み、ポップアップ(期間限定)で絵画を販売するなどカルチャー提案もする。
今後はサイト内の検索機能を高め、客が自分のサイズを入力すれば適した商品がリコメンド(推奨)されるなど「検索を通してお客さまが常に新しい発見に出会えるような仕掛けをどんどん盛り込みたい」(須藤社長)
また来年は事業開始10周年を迎えることから、ファン客に感謝の気持ちを伝える顧客イベントやキャンペーンを準備、新規顧客を獲得する仕掛けを考えているという。
なおサイト内のメンズの売上は「ジェラートピケ オム」など数%にとどまる。ただファッション事業を担うマッシュスタイルラボが今春ビジネスマン向けの新ブランド「アウール」と「ソフトハイフン」(同社の「ミスター・ジェントルマン」を名称変更)をデビューさせたこともあり、今後はメンズも拡大したい考えだ。