小売販売1.5%減、緊急事態宣言や前年買い占めの反動響く
[東京 30日 ロイター] – 経済産業省が30日に発表した2月の商業動態統計速報によると、小売業販売額(全店ベース)は前年比1.5%減となり、3カ月連続のマイナスだった。ロイターの事前予測調査では2.8%減が予想されていた。大都市圏で緊急事態宣言が発令されていた影響や、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった昨年2月に食料品やトイレットペーパーなどが買い占められた反動もあり、巣ごもり消費や新型コロナ関連需要で好調だったスーパーやドラッグストア、ホームセンターの売り上げも減少に転じた。
もっとも、2年前との比較ではほぼ横ばいで、経産省としては「消費は在宅需要もあり堅調」とみている。
業種別では織物・衣服などが前年比17.9%減となったほか、百貨店などの各種商品小売業、ガソリンスタンドなどの燃料、医薬品・化粧品などがマイナスとなった。外出減少で衣類販売が振るわなかった。
業態別では百貨店が前年比11.8%減、スーパーが同0.8%減、コンビニエンスストアが同6.6%減、ドラッグストアが同8.3%減、ホームセンターが同0.1%減となった。
百貨店はインバウンド需要の減少や閉店により17カ月連続でマイナスだった。スーパーは前年の買いだめの反動が響いたが、飲食関連では前年比プラスを維持した。コンビニは弁当やパン、コーヒーなどの需要減が続いている。ドラッグストアも前年の買いだめの反動が響いた。
こうした中で家電量販店は前年比7.2%増となった。洗濯機、冷蔵庫、ゲーム機、パソコンなどが伸びた。