最初のお客様から10人のファンをつくる!買いたくなる習慣の広げ方
自社の商品・サービスのリピーターになってもらうために、最初からマスを狙うのは得策ではない。まずは少数の顧客をつかみ、彼らの習慣としてもらう「1→10」をイメージして広めていくことが近道だ。博報堂ヒットメーカーズ「カイタイ新書」から上下にわけてその局所的な攻め方を解説する。
ここからは1→10と10→100のそれぞれのステップにおいて、例えばどういう手法があるのかについて、具体的に解説していきます。これから説明するいくつかの手法を参考に、それらを組み合わせてみたり、応用してみたり、時系列で整理してみたりさまざまな形で利用してみてください。
最初の1→10の手法は「体験をリッチにする」です。習慣は体験することで効果を実感でき、その良さを理解することができます。しかし、いくら身近な人からその習慣の魅力や効果を饒舌に語られても、なかなか腰が重く最初の一歩が踏み出せないという経験は誰しもがあることでしょう。そこで体験してもらう最初の一歩をつくり出すのが「体験のリッチ化」です。
味覚、視覚など五感を刺激する演出を
例えば、炭酸飲料を飲む習慣を広げたいとします。炭酸は強い爽快感を触媒とする「快楽」の習慣ですが、この爽快感を口頭でいくら説明しても、実際に体験してもらわないと五感で感じることはできません。そこで、この爽快感をリッチ化してみることを試みてみましょう。例えば、キンキンに冷やした状態で提供してみたらどうでしょう。冷却効果と炭酸の相乗効果で、さらに強い爽快感を提供することができるはずです。
さらにリッチに、夏の暑い日にキンキンに冷えた室内、それこそ氷でできたバーで提供してみたらどうでしょう。体感温度と、まるで南極にあるバーで飲んでいるような視覚的な冷たさも相まって、さらに強い爽快感を提供することができ、体験者に炭酸飲料との印象的な出会いを演 出することができます。これが、体験をリッチにするということです。
味覚だけでなく触覚に、 視覚にと、五感を刺激することで強いきっかけを演出します。このようなリッチな体験をマスに実践するのは予算的に難しいかもしれません。まず、1→10のステップにおいては、量に捉われるのではなく、少数の 人にできるだけ強くてリッチな体験を提供することを心掛けましょう。それがSNSや口コミで習慣を広めてもらう行動を喚起することにつながるのです。