最初のお客様から10人のファンをつくる!買いたくなる習慣の広げ方

2020/08/13 05:55
    博報堂 ヒット習慣メーカーズ
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     次の手法は「局地的なブームをつくる」です。ある習慣をいきなり全国的に定着させるのは容易ではありません。最初にも述べましたが、いきなりマスを狙うと、コストもリスクも大きいのが現実です。そこで、とてもシンプルな発想ですが、あえて場所を絞ってみるというのがこの手法です。

    局所的でも生活者は「人気」に興味をもつ

     あなたも街で行列ができている店を見かけたとき、知らない店でも気になって店内をのぞいてみたり、少し時間があればその列に並んでみた経験があるでしょう。つまり、どんなに局地的であっても、「人気」という事実を知ると少なからず生活者は興味をもってしまうのです。

     これは新しい習慣を広める際にも応用することができます。その局地は、福岡市といった中核都市でもいいですし、表参道のような象徴的な街でもいいですし、特定の施設でもいいでしょう。場所を絞る際に大事なのは、その場所で人気になることで「新習慣に箔がつくか」どうかです。

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     例えば、脳をリラックスさせて集中力を高めるストレッチの習慣を広げたいとします。どこで人気だという事実をつくれるといいでしょうか? ビジネスパーソンがたくさんいる東京のオフィス街、全国展開する人気ストレッチ教室、などさまざまな親和性のある場所が思いつくかもしれません。

     しかし親和性はもちろんですが、大事なのは「新習慣に箔がつくか」どうかです。例えば、有名国立大学で広めてみるのはどうでしょう。もし成功すれば「集中力が高まるストレッチだから頭のいい大学生が取り組んでいるのか」「頭のいい大学生たちがこぞって取り組んでいるストレッチってなんだろう」と、その習慣が少し気になって他の人に話したくなりますよね。また、納得できる理由があるからこそ、メディアも取材してくれる可能性が高まります。

     このように1→10のステップでは、何百万人に体験してもらおうといった「量」ではなく、例えば300人だったとしても本質的で小さな一歩を踏み出すための「質」を追求する試行錯誤が大事になってきます。小さい一歩だからこそ、もし有名国立大学で人気にならなかったとしても、次はもう少し年齢を上げて有名ベンチャー企業で試してみるなどのようにトライしてみることもできます。

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