米小売店の客足、直近1週間で緩やかに回復 マクロ指標は低迷続く

ロイター
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米小売店の客足
5月21日、米国では過去1週間で小売店の客足が緩やかに回復した。ただ、マクロ経済の指標は依然として低迷している。写真は1日、ヒューストンで撮影(2020年 ロイター/Adrees Latif)

[ワシントン 21日 ロイター] – 米国では過去1週間で小売店の客足が緩やかに回復した。ただ、マクロ経済の指標は依然として低迷している。

携帯電話の位置情報から個人の動きを分析するウナキャストとセーフグラフの調査によると、前週末は小売店の客足が引き続き緩やかに回復した。

中小企業向けのシフト管理ソフトを手掛けるホームベースがまとめた中小企業約5万5000社のデータによると、営業を再開した企業は小幅に増加。職場復帰した従業員も増えた。

全米では新型コロナウイルスの感染拡大で導入した規制を段階的に緩和する動きが広がっているが、アナリストの間では、感染の終息が明らかになるまで、消費者や企業は慎重に行動するとの見方が多い。

営業を再開した小売店でも、入店者の数を制限しているケースがある。

一部の小売り大手は、政府の経済対策が売り上げに寄与していると指摘。ウォルマートの幹部は19日の電話会議で、各世帯に配布された小切手で第2・四半期は好調なスタートを切ったと述べた。ただ、現在の消費回復ペースを維持するのは難しいとの見方も示した。

マクロ経済のリアルタイム指標は、低迷が続いている。

労働省が21日発表した16日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は243万8000件。

消費者と企業の活動を示すゴールドマン・サックスの指標も横ばい。ニューヨーク連銀の国内総生産(GDP)予想「ナウキャスト」は小幅に低下。アトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPナウ」では、第2・四半期のGDPは年率で40%以上の減少が見込まれている。

回復が見られるのは、引き続き一部の分野に限られている。ナウキャストのデータによると、ホームセンターの客足は最近、昨年の水準を緩やかに上回った。ペットショップの客足も増えている。

中西部と南部では経済活動が上向いており、ワイオミング州とサウスダコタ州では小売店の客足が昨年の水準を上回った。ただ、相対的に規制が厳しい沿岸部では、依然として昨年の水準を大幅に下回っている。

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