米クローガー、3月の既存店売上高は約30%の増加、買いだめ需要が急増
米スーパーマーケット最大手のクローガーは4月1日、3月の既存店売上高が前年同月比で約30%増加したことを明らかにした。米国で新型コロナウイルスの感染が急速に広がる中、買いだめ需要が急増していることが要因だ。
買いだめ需要は2月末から顕在化し、3月中旬以降、急速に増えた。同社はEC(インターネット通販)サイトで受注した商品を店舗で受け渡す「クローガー・ピックアップ」や、買い物代行のインスタカートなどと連携した食品宅配サービスを展開しており、こうしたECサービスも既存店売上高の拡大に寄与した。
クローガーは2020年2〜4月期の既存店売上高は計画を上回る見込みだとしているが、21年1月期通期については新型コロナの影響が見通せないため従来予想を据え置いた。通期の既存店売上高は前期比で2.25%増を超えると予想している。
同社では、手元資金を確保するため、3月18日に10億ドル(約1100億円)の借り入れを行った。一方、2〜4月期には追加の自社株買いを行わないことを決めた。同社は株主還元のため総額10億ドルの自社株買いを行うと発表、2〜4月期にすでに3億5500万ドルの自社株買いを行っていた。
クローガーは感染リスクがある中で仕事を続けている従業員に報いるために、店舗と食品加工センター、物流センターなどで働く時間給従業員への臨時ボーナス支給や一時的な時給引き上げを決めており、新型コロナの影響が長引けばこうしたコスト負担が利益を圧迫する可能性もある。
20年1月期に16億ドルだった純利益は、今期30億〜31億ドルを見込んでいる。