閑散としたSCに活気呼び戻せるか ロピア京都2号店「宇治店」の売場を解説!
ロピア(神奈川県/髙木勇輔社長)は2025年7月25日、京都府宇治市に「ロピア宇治店」(以下、宇治店)をオープンした。京都府2号店となる同店では、どのような品揃え、店づくりで集客しているのだろうか。現地を歩いた。
調査日:8月8日 ※本文中の価格はすべて本体価格

SCは閑散も……商圏は高ポテンシャル!
ロピアが京都府に店を出すのは今回が2店舗目。1号店は21年11月開業の「ロピア京都ヨドバシ店」(以下、京都ヨドバシ店)で、府内には約4年振りの出店となる。
この2店舗を比較すると、立地が大きく異なる。京都ヨドバシ店はJR「京都」駅から直結する家電量販店「京都ヨドバシ」の地下2階。観光都市・京都の玄関口に位置する。一方、2号店は郊外だ。近鉄京都線「向島」駅から直線距離で東約1.2km、国道24号線沿いの商業施設「エムズモール」1階に店舗を構えた。
注目したいのは、宇治店が入居したエムズモールの状況である。
同施設の開業は1995年で、当初は「トイザらス」やスポーツ用品チェーン「ゼビオ」といった人気店も入り、盛況を極めた。しかしその後、「イオンモール久御山」(京都府久世郡久御山町)はじめ、クルマで約20分圏内に広域商圏を持つ複数の競合施設が登場したことで客離れが進み、テナントの閉店が相次いだ。
直近ではスギ薬局やカフェ、今春には核テナントであったとみられる地元食品スーパーが撤退。残っているのはダイソーやリサイクルショップ、スポーツ用品店など限定的だ。現地調査のため歩いたところ、テナントはほとんどが空きの状態。3階のフードコートも閉鎖されていた。とくに2、3階はフロア全体が薄暗く、商業施設としては末期的とも言える雰囲気が漂っていた。

そこに開業したのがロピアだった。地元からは「昔みたいに栄えてほしい」との声が多く聞かれる。衰退した商業施設への出店については、関東・関西で成功事例を重ねてきたロピア。しかし、今回は施設そのものの集客力が極めて弱く、単独でどこまでお客を呼び込めるかが課題となる。
ただし商圏のポテンシャルは高い。周辺は宇治市の北部、京都市で最も人口が多い伏見区と隣接する地域だ。施設北側には同区の「向島ニュータウン」が広がっている。厚いマーケットが存在するほか、近隣は「マクドナルド」「ニトリ」、バローグループのドラッグストア「V・ドラッグ」などが点在する商業集積地でもある。ロピアの郊外型店舗が京都の市場をいかに切り拓けるか、同社の手腕が問われることになる。
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早くも3店舗体制に! ロピアの“青森戦略”の成否を現地で考察してみた