「グリーンビーンズ」が青果の「鮮度保証」に徹底的してこだわる理由

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)

イオンネクスト(千葉県/バラット・ルパーニ社長)のネットスーパー事業「グリーンビーンズ(Green Beans)」が始動から2年で急成長を遂げている。同サービスで主力となる青果は、独自の鮮度保証や厳格な検品体制により差別化を図るほか、オーガニック需要にも対応。

生鮮オリジナルブランド「鮮度+(プラス)」をはじめとした独自の品質保証と商品戦略で、ネットスーパー市場に新たな地平を切り拓こうとしている。

消費者の不安を解消するオリジナルブランド「鮮度+」

 物価高を背景に1点単価が上昇したことで、グリーンビーンズの1人当たりの購入金額は23年のサービス開始時から2割程度伸び、買い上げ点数は1割程度増加している。

 グリーンビーンズの青果のうち、最も売上高構成比が高い商品はトマトだ。とくに、ヘタなしのミニトマト「スイートベル」は看板商品に育っている。また、じゃがいも、玉ねぎ、人参など、保存性が高くまとめ買いしやすい常備野菜の品質も利用者から高い評価を受けている。そのほか、簡便調味料や焼きそばなどとのセット提案がしやすいカット野菜の販売点数が多いという。

グリーンビーンズの配送車
グリーンビーンズの配送車。商品の受け取りは1時間単位で指定可能だ

 イオンネクスト商品部長の石井友和氏は「消費者にはネットスーパーの生鮮品に対する期待値の低さが根強く残っている。とりわけネットスーパーの利用経験者は『購入した商品が傷んでいた』『掲載画像と届いた商品のギャップが大きい』などの経験から『サービスと商品の品質が低く、期待を裏切られ続けてきた』との厳しい評価が少なくない」と話す。

石井友和氏
イオンネクスト商品部長の石井友和氏

 こうした中、グリーンビーンズは利用者の不安解消と信頼構築を図るべく、独自の鮮度管理体制を整えている。その代表といえるのが、オリジナルブランド「鮮度+(プラス)」だ。同ブランドは高鮮度を担保すべく、キャベツ、レタスなどは「誉田顧客フルフィルメントセンター(CFC)」(千葉県千葉市)内で一つひとつを手作業で検品し、専用パッケージに封入。商品を低温状態のまま届けるコールドチェーンを通じて、劣化を最小限に抑えた状態で消費者に届けられる。

 特徴的なのは、商品到着後1週間(配送日+6日)のあいだ、鮮度の維持を「保証」しているという点だ。もし利用者が「鮮度+」対象商品の鮮度に満足しない場合や、届いた商品に傷みや破損がある場合、未開封であることを前提に返金対応を受け付けている。

誉田CFC外観
グリーンビーンズの拠点となる誉田CFCは千葉県千葉市にある。同様のCFCを東京都八王子市、埼玉県久喜市にも建設中

独自の品質管理で返品率0.1%を実現!

 なぜ、ここまで鮮度保証に心血を注ぐのか。購入頻度が実店舗ほど多くないネットスーパーは、週1回購入してもらえれば「優良顧客」となる。そうした購買スタイルにおいて、次の買物まで鮮度を保てない生鮮品を提供していては顧客ニーズに応えられないためだ。1週間の鮮度保証は、こうした課題に正面から対応した取り組みといえる。

 「鮮度保証は単に『傷んでいないことを伝えるため』のものではない。生鮮品の返品判断は難しく、たとえば購入から3日後に品質に不満があっても、消費者は責任の所在があいまいなことから“ためらい”を覚える。このためらいこそが、オンラインで生鮮品を買うことの心理的ハードルとなっている」と石井氏は分析する。

 だからこそ、イオンネクストは利用者が安心して買物できるよう、届けてから1週間の返金保証を設けた。返金対応の割合は当初3%を想定していたが、実際には0.1%程度とネットスーパーとしてはきわめて低く、返金に関するトラブルはほぼないという。

呼吸するパッケージ
野菜の品質を維持するために使用している独自の「呼吸するパッケージ」

 一方で、鮮度+の商品数はシーズンによって変動が大きい。

 「1品目に対して産地が1カ所となると、天候不順などのリスクが大きいため、別の産地も開拓していかなければならない」と石井氏は話す。こうした供給面の課題に対し、

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ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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