ユーロ圏成長率、24年は0.8%=前回予想を据え置き―欧州委予測
【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会は15日、2024年のユーロ圏実質GDP(域内総生産)が前年比0.8%増になるとの見通しを発表した。2月の前回予想を据え置いた。EU全体では1.0%増と、前回(0.9%増)から小幅に引き上げた。
ユーロ圏物価上昇率は、24年を2.5%(前回2.7%)、25年を2.1%(同2.2%)にそれぞれ引き下げた。非エネルギー財や食品が押し下げ要因となる一方、エネルギーは上昇するとみている。
ジェンティローニ欧州委員(経済担当)は記者会見で、欧州経済について、24年1~3月期に経済活動が「回復した」と指摘。「先行きは改善に向かっており、個人消費が成長のけん引役になる」と述べた。ロシアのウクライナ侵攻と不透明な中東情勢が、引き続き下振れリスクになるとの認識も改めて示した。
主要国別の24年のGDP予想は、ドイツが0.1%増(同0.3%増)、フランスは0.7%増(同0.9%増)と下方修正された。イタリアは0.9%増(同0.7%増)で上振れした。
◇ユーロ圏実質GDP見通し
2024年 2025年
ユーロ圏 0.8(0.8) 1.4(1.5)
ドイツ 0.1(0.3) 1.0(1.2)
フランス 0.7(0.9) 1.3(1.3)
イタリア 0.9(0.7) 1.1(1.2)
EU全体 1.0(0.9) 1.6(1.7)
(注)上昇率、単位%。カッコ内は24年2月公表の前回予想。