大型店ひしめく激戦地で際立つ圧倒的安さ! 「ロピアフレスポ桜井店」の売場を解説

矢野清嗣
Pocket

ロピア(神奈川県/高木勇輔社長)は大型スーパーがひしめく奈良県桜井市郊外に「ロピアフレスポ桜井店」を昨年12月8日にオープンした。競合をものともせず、想定以上のお客が集まった。前編では生鮮4売場をレポートした。後編は日配・加工食品などの売場を見ていこう。
調査日=2024年2月3、4、5日 ※本文中の価格はすべて本体価格

節分の日、店舗を訪れると、恵方巻を求めたお客が50人ほど行列をつくっていた

買いやすく管理もしやすい日配売場

 日配はシンプルで買いやすく、管理がしやすい売場となっている。正面の壁面28尺は乳製品。商品構成は固定化され、「六甲バター・QBBベビーチーズ」15品目を1個88円、5個399円で販売するなどバンドル販売を主眼にしている。

 続く和日配は72尺。漬物を先頭にカテゴリー別に配置しており、こちらも商品構成はほぼ固定化されている。キムチは「高麗食品」が軸。豆腐は「山食・絹豆腐350g×2」(111円)をベースに、こだわり商品は奈良県の「三木食品」や愛知県の「おとうふ工房いしかわ」を導入、オリジナル商品は道場六三郎監修・ユーラス「釜焚いなり20枚」(499円)を展開していた。

 ヨーグルト類は正面の右壁面28尺で展開。定番商品が中心で「明治・ブルガリアヨーグルト400g」(139円)の扱いもあった。チルド飲料は右壁面の44尺で展開。「無調整牛乳1ℓ」は「東海乳業」を1本173円、3本499円でメインで販売するほか、北海道の「豊富乳業・サロベツ牛乳1ℓ」(189円)も揃えていた。

 冷凍食品では一律割引は行っていない。弁当食材は12尺42品目の扱いで価格帯は159~199円。そのほか、「韓国食材」「ユーラス」「餃子」といったライン別に展開。パンの位置取りはゾーンで対応。巽製粉と組んだ「7/7」シリーズに加え、価格訴求では神戸・オイシス「熟成工房食パン6枚」(79円)を提供する。

オリジナルの「冷凍とり天」は味付けもしてあり、電子レンジで加熱するだけで食べられる

 日配8品目を競合店と価格比較すると、ラ・ムーとは価格差がほぼなく、他の店舗とも極端な差はないようだ。

加工食品で際立つロピアの安さ

 そのほかの部門の売場スペース構成比を見ると、加工食品が27%、酒類が7%、菓子が9%で合計43%。加工食品は3尺15本、18尺レーン9列で売場を展開。エンドは催事商品を配置する。売場でスペースを割いているのがふりかけ、味ぽん、たれ、なべつゆなど。下段は売れ筋商品やこだわり商品、オリジナル商品を絡めながらロピア独自のスタイルを形成している。

 昨今は多くのチェーンがメーカー別の棚割となっているが、ロピアは独自のスタイルとなっており、地方銘品やマイナー商品などの扱いが多い。大胆な低価格を提供できるのはメーカーとのしがらみがないからであろう。

「魅惑のホルモンのタレ」はグループ企業の丸越醸造が製造。マンゴーピューレが入っている

 売れ筋商品9品目を競合店と比較すると価格差が大きい。主要9品目合計の価格差はトライアルが約1割、金額274円にとどまったのに対し、オークワは約3割、720円と大きく差が出た。売れ筋商品でこの価格を訴求されたら、競合店は1~2品程度であれば対応できるが、10品目以上となると難しいところだろう。まして、大手チェーンは現場での価格対応が限定されているという弱点がある。

 酒類はビール系飲料と缶チューハイには力を入れているが、そのほかのカテゴリーは売れ筋商品をベースに堅実な対応となっている。ワインは299~999円ゾーンをべースに、直輸入商品は販促で対応。酒類は競合店と極端な価格差はなかった。

 菓子はグミと大袋に力を入れている。大袋は24尺、67品目の扱いで、「ロッテ・チョコパイ9個」(259円)、「不二家・カントリーマアム19個」(229円)、「ブルボン・アルフォート178g」(239円)などをよりどり3個500円で提供。3個購入者が多く、品切れが目立っていた。

次ページは
〇〇〇
1 2

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態