3月の米消費者物価、3.5%上昇=市場予想超過、2カ月連続拡大
【ワシントン時事】米労働省が10日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.5%上昇した。伸び率は前月(3.2%)から2カ月連続で拡大し、市場予想(3.4%)も上回った。インフレ圧力の根強さが改めて示された。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は3.8%上昇で、伸び率は前月と変わらず。インフレ鈍化があまり進んでいない状況が浮き彫りとなった。連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始時期が想定より遅れ、今年後半にずれ込むとの見方が台頭しそうだ。
項目別では、中古車・トラックが2.2%低下。一方、サービス価格(エネルギー関連を除く)は5.4%上昇と、引き続き高い伸びを示した。
米国のインフレ率は、2022年半ばのピークから大きく減速。FRBは「今年のある時点」(パウエル議長)での利下げを視野に入れている。ただ、強い景気や雇用を背景に、インフレ鈍化は停滞気味。FRBはインフレ再燃リスクを警戒しており、利下げを急がず、経済指標を慎重に見極める構えだ。
◇3月の米CPI概要
消費者物価指数 0.4(前年同月比3.5)
コア指数 0.4(前年同月比3.8)
エネルギー 1.1
燃料油 ▲1.3
ガソリン 1.7
衣料 0.7
新車 ▲0.2
中古車 ▲1.1
帰属家賃 0.4
航空運賃 ▲0.4
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前