鮮魚売場活性化の一助に!  魚のおいしさを再発見できる場所とは?

2020/01/15 06:00
    兵藤雄之
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    近年、魚離れとの声が聞かれるなかで、「プライドフィッシュ」と「ファストフィッシュ」という言葉が登場してきた。前者は魚の「おいしさ」に、後者は「手軽さ」にフォーカスしている。意外と知らなかった魚のおいしさや食べ方に触れれば、食卓に魚が並ぶ頻度も増えるかもしれない。
    (本稿は2019年11月、東京・日比谷公園にて開催された「第7回Fish-1グランプリ」での取材をベースに執筆しました)

    あなたはまだ、魚の本当の旨さを知らない。
    魚は食べ方しだい、提案しだいで可能性がある

    2つのコンテストで魚のおいしさを伝える

     今、日本では魚離れが進んでいる。1人当たりの魚介消費量は2001年(平成13年)をピークに年々減少し、ピーク時から約18年間で約40%も少なくなっている。

     しかし、健康・栄養面から、「魚を食べたい」という人は少なくない。魚離れとこの消費者イメージとのギャップは、魚の処理にかかる手間も影響しているだろうが、「魚の本当のおいしさが伝わっていない」、「おいしい魚を食べて感動した経験を持つ人が少ない」といったことも大きいのではないだろうか。
    「Fish-1グランプリ」は、そうした日本の水産物に光を当てるイベントだ。

     メーンとなるのは、全国各地の旬の水産物を使った「漁師自慢の魚 プライドフィッシュ料理コンテスト」と、国産の水産物を使った「ファストフィッシュ」を扱う企業・団体を対象とした、「地域を元気にする 国産魚ファストフィッシュ商品コンテスト」という2つのコンテスト。いずれも、Fish-1グランプリイベントに来場した一般来場者の票数+審査委員の票数の合計により、グランプリ、準グランプリが決定される。

    手軽で味わい深い“魚のメンチカツ”

     15時30分を回り、いよいよコンテストの結果発表だ。

     まず、国産魚ファストフィッシュ商品コンテスト。そもそも「Fast Fish(ファストフィッシュ)」とは、レンジでチン!や、フライパンで炒めるだけといった、手軽・気軽においしく水産物を食べることおよび、それを可能にする商品や食べ方のことで、2012年からこれまでに21回の選定が行われ、3316商品が選ばれている。また、2016年度から「キッズファストフィッシュ(子供が好み、家族の食卓に並ぶ商品や食べ方)」、「ふるさとファストフィッシュ(国産魚や地方独特の魚を使用した商品や食べ方)」のカテゴリーが追加された(これまでに、それぞれ、28商品、90商品が選定されている)。

     今回のグランプリは「食べる磯焼け対策!!そう介のメンチカツ」(長崎/丸徳水産)。海藻類を主食とし、磯焼けの原因の1つにあげられ駆除の対象になっている“そう介(正式名称イスズミ)”を加工技術により有効活用。白身魚ならではの上品な味わいと、ムッチリとした食感を堪能できるメンチカツになった。

     準グランプリは「三陸産塩ダレ鱈ガツ」(宮城/石巻フーズ)。三陸で獲れた真鱈の胃袋を塩だれで味付けし、ガツ(胃袋)の独特の食感と、噛めば噛むほど味わい深い一品に仕上げたものだ。

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