12月の米物価、2.6%上昇=約3年ぶり低水準
【ワシントン時事】米商務省が26日発表した2023年12月の個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.6%上昇した。伸び率は前月から横ばい。21年2月以来2年10カ月ぶりの低さだった。
価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比2.9%上昇と、前月(3.2%)から減速。伸び率の低下傾向が続いており、インフレ圧力の減退がうかがえた。
項目別では、エネルギー関連が2.2%、自動車など耐久財が2.3%と、それぞれ低下した。サービス価格は3.9%上昇となったが、一時の勢いは失われつつある。インフレの鈍化が持続するかは、賃金上昇の影響が大きいサービス価格の動向がカギを握る。
インフレ率が2%の目標に近づく中、米連邦準備制度理事会(FRB)は24年内の利下げ開始を視野に入れる。市場では、FRBが今年前半にも利下げに踏み切るとの観測が浮上している。
一方、12月の個人消費は前月比0.7%増と、11月(0.4%増)から伸びが拡大した。米景気は消費主導で、堅調さを保っている。FRBは経済指標を精査し、慎重に利下げのタイミングを探る構えだ。
◇米PCE物価指数
11月 12月
PCE 前月比 ▲0.1 0.2
前年同月比 2.6 2.6
PCEコア 前月比 0.1 0.2
前年同月比 3.2 2.9
個人消費・所得
個人所得 前月比 0.4 0.3
可処分所得 前月比 0.4 0.3
個人消費 前月比 0.4 0.7
モノ 前月比 ▲0.1 0.9
耐久財 前月比 0.7 1.1
非耐久財 前月比 ▲0.6 0.8
サービス 前月比 0.6 0.6
貯蓄率 4.1 3.7
(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少