23年秋冬、青果の販促と売場づくり提案書!「野菜は単価アップ」その方法とは
3年あまり猛威を振るった新型コロナは、今春、感染法上の分類がインフルエンザと同等の5類に移行し、行動制限が緩和された。それに伴って、コロナ禍における内食需要の高まりで好調だったSM業界の業績はコロナ禍以前と同等に戻った。そうした状況下で、青果部門の2023年前半の売上は前年並みにとどまっている。秋から冬にかけての売上向上をめざすため、商品動向や今年の相場を踏まえた商品戦略を提案していく。
相場変動による商品動向の把握を
コロナ禍の収束に伴い、SM各社はその反動を受けているが、23年前半の売上推移は部門によって多少の差異がある。たとえば、総菜部門は好調が続いている。原材料の高騰により商品の値上げ幅が大きかった加工食品部門における売上も前年超えが目立つ。生鮮3部門では、鮮魚と精肉が不振となった。対して青果は相場が堅調に推移しているため(図表❶)、売上は前年並みの企業が多い。
とはいえ、青果物は相場変動により販売単価が目まぐるしく変わるため、相場動向をよく見て販売を進める必要がある。たとえば23年前半は、野菜の単価は前年並みだったものの、一部果実の価格が高騰し、消費者の買い控えが起きた。そのため売上が伸長せず、部門トータルで22年並みの売上にとどまっている。
相場変動による商品動向を把握するため、主力品目については定期的に売価、販売状況の分析をしておくことが重要だ。単価、販売数量、販売金額、売上高構成比、売上高の対前年比増減などから問題点を把握して原因を追究し対策を立てる。とくに売上上位の主力商品であるキャベツ、ダイコン、白菜、ネギ、玉ねぎ、ニンジン、キュウリ、トマト、キノコ、葉物類などの10~15品目前後の野菜、バナナ、リンゴ、みかん、ブドウ、柿、イチゴなどの5~10品目前後の果実は注視しておくといいだろう。加えて、月度の単品数値・金額・対前年比・売上高構成比から昨年実績を把握し、そのうえで売場の写真、棚割りなどから昨年度の問題点を洗い出しておくことをおすすめする。
続いて青果部門の現状の相場を整理する。野菜はこの2~3年安値だった上位主力商品が例年並みの価格に戻ったことで、前年並みの売上を確保できた。23年前半は、野菜の相場が高かったが、料理に欠かせない野菜は価格が高くても購入される傾向にある。そのため、売上が前年を
店長必読!売場づくりと販促の教科書 の新着記事
-
2024/11/08
基本を徹底しつつ健康を意識した売場づくりで差別化を図る! -
2024/11/08
専門家がヤオコー久喜吉羽店を徹底分析!斬新な鮮魚改革と意外な課題とは -
2024/10/01
拡大続く冷食 ミールソリューションの観点からMDを構築する方法とは -
2024/10/01
トライアルら出店でスーパーマーケット超激戦区に、宮城県利府エリアの勝者は? -
2024/09/03
2024年冬の総菜MD、イベントの与件変化を丁寧にとらえ、暖冬想定と節約対応を強化 -
2024/09/03
鮮魚部門2024年冬の月別儲かるMD提案!年末商戦のポイントは?
この連載の一覧はこちら [121記事]
関連記事ランキング
- 2024-11-08怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは
- 2024-11-07「Foods Park」の17店舗目はイオンの跡地に居抜きで出店!
- 2024-11-18レシートは語る第15回 まもなく関西進出のオーケー、データでわかる競争力と成功のカギ
- 2024-11-0633億円めざすマミーマート、生鮮市場TOPセキチュー上尾店徹底解説
- 2024-11-12価格訴求から価値提案にシフト?「岡崎エルエルタウン店」で見られたロピアの進化
- 2024-11-08専門家がヤオコー久喜吉羽店を徹底分析!斬新な鮮魚改革と意外な課題とは
- 2024-11-08店舗網とM&Aの歴史が丸わかり!最新ロピア勢力図MAP!
- 2024-11-18既存店の数字が良い企業は実践!競合スーパーが進出しても影響を受けない方法
- 2024-10-25物言う株主時代に脚光!宅配以外もスゴい「生協」の事業モデルとは
- 2024-11-13繁盛店は80億円!ロピア、強烈な販売力支える「100%現場主義」の正体とは