6月の中国物価、横ばい=デフレ懸念強まる
【北京時事】中国国家統計局が10日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比横ばいだった。前月の0.2%上昇から低下し、2021年2月以来2年4カ月ぶりの低い水準。景気回復の遅れで需要が増えない中、マイナス圏入りが目前となり、デフレ懸念が強まっている。
中国では新型コロナウイルス感染拡大を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策の終了後も、生産活動や消費が低迷。若年層の失業率は過去最悪の水準に達し、消費マインドは冷え込んだままだ。
CPIの内訳は、ガソリンなど交通用燃料が17.6%下落し、物価に大きく影響する豚肉の価格も下落幅が拡大。ゼロコロナ終了後に盛り上がった旅行も値上がり幅が鈍化した。価格変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は0.4%上昇だった。
同時に発表された6月の卸売物価指数(PPI)は5.4%下がった。9カ月連続の低下で、マイナス幅は前月(4.6%)から拡大した。