スイーツ専門店の味めざし、この夏セブン-イレブンが刷新した「3つの素材」とは

2022/07/22 05:54
    湯浅 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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    セブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長:以下、セブン-イレブン)は、和菓子・洋菓子商品の全面刷新を実施した。リニューアルした商品は、6月13日より店頭に並ぶ。今回の新商品の目玉は、徹底して商品の「素材」にこだわった点だ。「街のスイーツ屋さん」をコンセプトに掲げるセブン-イレブンのスイーツ部門のねらいとは。

    コロナ禍で消費者が「おいしい」スイーツを求めるように

    セブン-イレブンが今回、和菓子・洋菓子商品を全面刷新する背景には、コロナ禍でお客が同店で買物をする際の「スイーツ離れ」が顕在化したことが挙げられる。「おうち時間の充実」を求める消費者は、洋菓子店などのスイーツ専門店で買物をしたり、ECで商品をしたりと、「おいしいスイーツ」を求めている。事実、ミニマルが発表した2020年総括および2021年展望レポート」によると、25歳~49歳の女性111人のうち、コロナ禍で「スイーツを食べる頻度が増えた」と答えた人は約54.1%で、「スイーツを取り寄せた」という回答には約40.7%が「はい」と回答したという。

    (coffeekai/iStock)

     そうした中、セブン-イレブンのチルド洋・和菓子の販売金額の合算は20年4月~21年4月までは前年比100%超えと順調に推移していたが、21年4月以降は、100%を切る月も目立っていた。同社商品本部デイリー部シニアマーチャンダイザーの平田哲也氏は、その原因について「高まるスイーツ需要に対して、当社の商品でお客さまを受け止め切れていなかった」と分析する。

     コロナ禍で顕著に高まった「スイーツ需要」と、近くのコンビニで特定の商品を購入する「目的買い」という消費者の行動に対応するためにも、セブン-イレブンは「街のスイーツ屋さん」をコンセプトに商品の全面刷新を行ったのだ。

    アップグレードさせた「3つ」の素材とは

     主にアップグレードするのは、商品の「素材」である。具体的には、①乳脂肪分をアップさせた「ホィップクリーム」の使用、②セブン-イレブン専用にブレンドした「薄力粉」の使用、③北海道十勝産小豆の品種の一つで、専門店も使う「エリモショウズ」の使用、の3つだ。

    平田氏は、「素材」を見直した理由について「お客さまは、“専門店に近い味”をコンビニスイーツに求めていることが、調査の結果明らかになった。リピーターを獲得する上でも、上質な素材を使うことが求められているのではないかと考えたから」と話す。セブン-イレブンは、全国にチルド洋菓子の専用工場を24か所所有している。ホイップクリームは製造する直前に泡立てるなど、素材の製造方法が独自に確立されているのだ。

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    記事執筆者

    湯浅 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

    1996年生まれ。シンガポール出身。同志社大学グローバル・コミュニケーション学部卒業後、経済メディアで記者職に就く。フリーライターを経て、2021年12月ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。大学在学中に1年間のアメリカ・アリゾナ州立大学への留学を経験。好きな総菜はローストビーフ、趣味は練馬区を散歩すること。

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