【ダブリンB&Q店舗取材に見る】欧州2位のHC企業キングフィッシャーの戦略

高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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フォロワー30万人超!
SNSに力を入れるB&Q

 そのほか、店舗取材で気になった点を挙げていく。

 まずは、ガーデニングコーナーだ。前ページの写真のように、B&Qはガーデニングコーナーに力を入れている。そのガーデニングコーナーで取り組んでいるのが、SNSでの情報発信だ。

 「ガーデニングコーナーはとくにSNS映えする。若者からの受けがいい」(B&Qスタッフ)。

 実際、B&QのSNSアカウントを見ると、すごい数のフォロワーがいることがわかる。ツイッターが8万人、フェイスブックが30万人である。

 アップされている写真はガーデニング関係が多い。写真だけでなく、動画も織り交ぜ、投稿頻度も高いことがわかる。

twitter
B&Qのツイッターアカウント。8万人以上がフォローしている
facebook
B&QのFacebookページ。30万人以上がフォローしている

とにかく広い塗料売場

 また、これはB&Qに限った話ではないが、ダブリンのHC店舗はとにかく塗料売場が広い。戸建て住宅比率が約7割あり、自分たちで塗装する文化が根づいているからだ。アイルランドでは、「Durux」というオーストラリアのメーカー(今年日本ペイントホールディングスが買収)がいちばん人気で、広く棚を確保している。

 B&Qでは、Duruxに加えて、キングフィッシャーPBの「GoodHome」を販売。NBの約3割安い価格で販売しているが、「今はまだDuruxのほうが売れる」という。PBは大容量と小容量の両方を揃えている。

ペンキ
B&Qだけでなく、ダブリンのHCはどこも塗料売場をかなり広くとっている。B&Qは新しいPB「Good Home」の塗料を売り込んでいる

充実した休憩スペース

 店舗内の飲食スペースも充実させている。

 飲み物だけでなく、ハンバーガーやホットドックなどの軽食、パンも販売。空間デザインも工夫しており、飲食コーナーの壁だけ色を変えて、スタイリッシュなデザインを施している。席数は、40〜50席。

 スタッフに確認したところ、B&Qの多くの店舗に飲食スペースを導入しており、満席になることも多いとのこと。買物のついでにくつろいで休憩するスペースの設置は、広い売場面積を持つHCに求められている。

B&Qのイートインスペース
休憩スペースは空間デザインも工夫。カフェだけでなく、簡単な食事も提供している

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注目の新業態「GoodHome」がベールを脱いだ!

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記事執筆者

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月よりダイヤモンド・ホームセンター誌編集長。ホームセンター業界のトレンドに精通しており、TV・ラジオなど数々のメディアに出演するほか、ダイヤモンド・リテイルメディアYoutubeでも業界解説動画を配信している。

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