1年で株価が半分になった良品計画はここから巻き返せるのか?
巻き返し施策が的中か?復調の兆しも
大幅減益となった一方で、復調の兆しも見える。
まず、既存店売上高。第1四半期の既存店売上高は101.5%と、前期を上回っている。懸念の中国もすでに第2四半期の既存店売上高は100を超える見通しで、全店ベースだと115%と好調だ。
「想定内」の減益要因だった人件費や新店投資については、一時的な費用のため第2四半期以降は足を引っ張らないし、「想定外」だった物流費についても、「第2四半期には効果が出てくるだろう」(松崎社長)という。
また、世界的旗艦店の銀座店も「順調に推移している」うえ、近年の重点施策である食品もレトルトの「バターチキンカレー」や冷凍食品が好調と、これからの楽しみも大きい。
製造拠点を日本から中国へ
「次なるファミマ」も検討中
それだけでなく、さらなる成長策もすでに手を打っている。
まず、「価格見直し」について。これまで良品計画は工場の移管や原材料の原価削減など原資を確保してから価格を下げていたが、今期からは原資確保よりも価格見直しを優先する戦略をとっている。価格見直しを加速させることでより顧客支持をねらう考えだ。今年秋にも価格見直しを予定しているが、原資確保は予定通り進んでおり、生産拠点を日本から中国に、中国からアセアンに移管しているという。
さらに、中国で生産管理部を新設し、中国独自の大きさの商品を作成したり、インドのムンバイに旗艦店を出す計画を立てている。
一方、喫緊の課題としては生活雑貨の不振が挙げられる。カテゴリー別に見ると、生活雑貨は前期を下回っており、とくに家具など大型商材が厳しい。
「入学シーズンなど新生活の際に、生活雑貨を買う店としてはわれわれが想起される順位が低い。来期以降、商品開発に力を入れて巻き返していきたい」と松﨑社長は説明する。
また、ファミリーマートへの供給打ち切りについて、「コンビニというチャネルは重要。現在、ほかの小売業と交渉中である」という。
「想定外」の減益要因に早めに手を打った良品計画。その効果がねらったとおり表れてくれば、再び増益基調へと転じるだろう。