3日前の「独り言」ですのでクリックするほどのものではありません!
「死の町」と発言して辞任した鉢呂吉雄元経済産業大臣は、心底、納得したのだろうか?
人気がなく放射線にさらされた福島第一原子力発電所周辺市町村を「死の町」と表現することが進退に値するほどの失言なのだろうか、と私は思う。
住民への配慮がないという非難は、確かにその通りだ。
しかし、鉢呂元大臣の人間としての正直な感想だとするならば、それを隠す理由はないだろう。
2010年12月6日のBLOGでは、故田中角栄元首相の「言っていいこと、悪いこと。言っていい人、悪い人。言っていい時、悪い時」という言葉を紹介して、政治家には状況判断力が必要であると書いた。けれども、今回の発言は、「状況判断力がない」と一刀両断するほどのものではないと思う。
鉢呂元大臣の真意を推測するなら、現状は、「死の町」だが、それを認めたうえで、復旧・復興させていこうということだったのではないか。
むしろ問題があるとするならば、活気ある町を「死の町」然とさせてしまった電力会社の“想定”の甘さ、また「死の町」然とした町の復旧・復興ロードマップをいつまでも描けない菅直人前政権と民主党の対応だろう。
大手マスコミが真っ先に批判の矛先を向けるべきなのは、その部分であるはずなのに3月11日以来、筆鋒は鈍ったまま。“言葉狩り”やレベルの低い吊るしあげのようなことをしている場合ではないはずだ。
そもそも、私たちは政治家に何を望んでいるのだろうか?
しっかりした政策を掲げ実施し、国が誤った道を選ばぬように、まつりごとを司ることだろう。
もし、きれいに間違いのない言葉だけを並べることが優先事項であるとするならば、アナウンサーに政治を任せるべきだ。といっても、いまやそのアナウンサーしても失言は少なくない。
また、生真面目だけがとりえの堅物であることが優先事項だとするならば、人間臭さも面白みもない人が政治家になればいい。でも、それでは人を動かすことができないのは明らかだ。
そうではない資質が必要だからこそ、職業としての政治がある。
もう一度記しておきたいが、政治家は政治を全うしてくれればそれでいいと私は思う。そこに誤りがあった時には、即座に辞めていただこうじゃないか。
類似ブログ:http://diamond-rm.net/articles/-/3685
http://diamond-rm.net/articles/-/4137
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