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第117回

2017年10月16日

【DDレポート】
ツルハHD 
杏林堂GHDを子会社化へ

『ダイヤモンド・ドラッグストア』 2017年9月15日号掲載

 ツルハホールディングス(北海道:以下、ツルハHD)は8月7日、静岡県でドラッグストア(DgS)を展開する杏林堂薬局の完全親会社、杏林堂グループ・ホールディングス(以下、杏林堂GHD)の株式51%を取得し、子会社化すると発表した。このM&A(合併・買収)により、単純計算でDgS業界売上高首位のウエルシアホールディングス(東京都:以下、ウエルシアHD)を上回ることになる。

 

ウエルシアHDの売上規模を上回る

 この10年くらいの間にローカルDgSがトップシェアを握る都道府県は激減した。大手DgS企業によるM&Aと、その後の出店攻勢によるシェアトップ企業の交代が大きな要因だ。

 

 『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌の調査では、2006年度には約3分の1の都道府県でローカルDgS企業がトップシェアを握っていた。しかし16年度には5県にまで減少している(青森県:紅屋商事、静岡県:杏林堂薬局、和歌山県:エバグリーン廣甚、岡山県:ザグザグ、高知県:よどや)。

 

 17年に入ってからは、このうち3県で大きな動きがあった。17年2月、ザグザグはドラッグストアモリ(福岡県)の親会社ナチュラルホールディングスの傘下に入った。青森県のDgSでシェア3位の丸大サクラヰ薬局は9月1日にウエルシアHDの完全子会社となった。そしてツルハHDによる杏林堂GHDの子会社化である。

 

 今回の資本業務提携では、ツルハHDが杏林堂GHDから発行済み株式の51%を取得。子会社化し、プライベートブランド商品の共同開発、共同仕入れ、相互のノウハウや人材、情報システムの共有などを推進していく予定だ。このM&Aにより、ツルハHDの売上高は単純合算で6600億円超となる。これは丸大サクラヰ薬局を完全子会社化したウエルシアHDの売上規模(単純合計で約6439億円)を上回る(いずれも16年度ベース)。

ツルハHDは杏林堂GHDを子会社化する

ツルハHDは未進出の静岡県に強固な足場

 杏林堂薬局は「地域貢献」「差異化」「新しいことに挑戦し続ける」等を社風とし、クロスマーチャンダイジングによる販売促進、有資格者(薬剤師、管理栄養士、登録販売者)の活用、生鮮3品の積極導入など、その独自の売場づくりはDgS業界関係者が一目置く存在。静岡県のシェアは約4割でダントツだ。

図表●静岡県内の主要DgSの売上高・店舗数の推移

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 しかし、10年ほど前はこれほど大きな差はなかった。「ハックドラッグ」屋号の旧CFSコーポレーション(現ウエルシア薬局)、「ウインダーランド」屋号の旧高田薬局(現ウエルシア薬局)の上場2社と、杏林堂薬局の三つ巴状態にあった。それがこの10年で一気に差が開き、旧CFSコーポレーションと旧高田薬局が合併したにもかかわらず、杏林堂薬局がトップシェアを獲得するに至った。

 

 旧高田薬局創業の地である静岡県のウエルシア薬局の店舗数は208店舗。実は都府県別では同社最多だ(17年2月期末時点)。ウエルシアHDは県西部から隣の愛知県へと連なるドミナントを確立しようと試みているが、いまだ杏林堂薬局の強固な牙城を崩すことはできていない。そうした状態にあるところに、ツルハHDが杏林堂薬局を子会社化することになった。

 

 杏林堂薬局は18年4月期に売上高1000億円を目標に掲げている。一方、ツルハHDはローカルDgS企業を子会社化することにより、急速に売上規模を拡大してきた。「2019年5月期、2000店舗、売上高7000億円」を中期目標とする同社にとって、未進出エリアだった静岡県に強固な足場ができた意味は大きい。

 

 ツルハHDはM&Aに長けており、15年10月にグループ入りしたレデイ薬局(愛媛県)の売上高経常利益率をわずか1年半で2.6%から5.0%(17年5月期)へと大きく改善させた実績を持つ。

 

 杏林堂薬局のツルハHDグループ入りは、売上高1000億円の目標達成だけでなく、さらなる収益力アップに向けた大きな一歩となりそうだ。

 

 

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