薬王堂

事業会社は経営陣若返り、東北から社会課題の解決をめざす

　「東北の人たちの味方でありたい」という想いのもと、「東北から世界の健康をデザインする」をビジョンに掲げる薬王堂ホールディングスは、傘下に「小商圏バラエティ型コンビニエンス・ドラッグストア」を東北6県に展開する薬王堂、マーケティング等の事業を行うMed!caを持つ。

　薬王堂は少子高齢化に対応した品揃えと日常的な低価格商品の販売を強化する一方で、商圏人口7000人で成立する、安さと利便性に専門性を兼ね備えた小商圏対応のビジネスを展開。ドラッグストア387店舗（うち調剤併設型３店舗、調剤専門薬局２店舗）を運営している（2024年２月29日現在）。岩手県、宮城県では安定的な出店を継続しながら、青森県、秋田県、山形県、福島県では積極的な出店を図る。25年２月期には23店舗の積極出店を計画。既存店強化として年間50店舗程度の改装も進めている。

　商品戦略についてはプライベートブランド商品として、「衣食住」に関連する生活必需品の「くらしまるごとALL WAY BASIC」の開発を強化している。また、物販だけにとどまらず、さまざまな連携により社会課題の解決にも取り組む。ECアプリ「P!ck and（ピックアンド）」は地方におけるラストワンマイルを確立し、生活者の利便性を確保するために開発したもの。岩手県の医療関連スタートアップ企業とのタッグによる健康チェックアプリ「KOMPASU」の提供や、東北の未利用資源を使ったスキンケア商品の共同開発なども進めている。

　2024年３月より、薬王堂の経営陣の大幅な若返りを図り、西郷孝一氏が代表取締役社長執行役員に就任。新たな経営体制のもとで中長期的な企業価値向上への取り組みを強化している。