ロスが売上に変わる!生産者と購入者をつなぐフードロス対策プラットフォーマーのRender
Renderが提案する新たな買物スタイルとは?
購入データはメールで届けられ、それに応じて、商品を発送することになる。
「Renderを着想したのは、5,6年前。アパレル業者から『B品、キャリー品の廃棄ロスを何とかしたい。年2回のワゴンセールだけでは追いつかない。Webでさばける方法はないか』と相談を受けたのがきっかけ。当時はまだ、現在のような日本全体で食品ロスに対する意識は薄かった」(同)
たとえば岐阜県は富有柿の産地として有名だ。東京に出荷すれば、贈答品として「1個350円」程度で売れる。しかし、ちょっと傷があったりすると「袋に5、6個入れて1袋100円」で、地元で販売されることになるが、そうそう売れるものでもない。
「その商品でも東京でなら『1個100円』でも市場性はある」(同)
見切り品を廉価販売で処分するスーパーは多い。しかし、人口減少の進む地方では、そもそも需要が少ないのだから、多少、安くしたところで、お金に簡単に換わるというものではない。それに対し、東京、大阪、名古屋のような人口集中エリアであれば、同じ条件でも購入を希望する人が見つかるだろう。
また、基本はBtoCだが、食材コストを少しでも抑えたいと考える飲食店での利用も想定している。たとえば、(北海道産というように)名産地品でありながら、流通に乗らない商品(味に問題のない傷もの)が安く購入できるのであれば、購入を希望する店舗は少なくないはずだ。
こうしたニーズを満たし、食品ロスを削減するプラットフォームとしてRenderがある。限られたスポットでは対応できなかったことでも、Web環境を利用して人口集中エリアを含む全国という面対応ができるようになれば、その可能性は限りなく広がる。
長引く景気低迷により、消費者の家計防衛意識は強い。わけあり、B品、規格落ちなどの商品は、味にはほとんど影響がなく、家庭で食べるにはお手ごろ、お買い得と考える、賢い消費者も増えている。また、シェアリング発想の高まりから、近所の主婦仲間の間で、お得にまとめ買いをして、シェアするというスタイルも根付きつつある。
Renderが提案する新たな買物スタイルに、今追い風が吹いている。