ハイブランドが熱視線!メタバース「ZEPETO」でデジタルファッションが売れる理由とは

久保佳那
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メタバースという言葉を聞くようになって久しい。男性ユーザーの比率が高いメタバースが多い中、Z世代とその次の世代であるアルファ世代(2010年以降に誕生)の女性ユーザー比率が高いZEPETOは異色の存在だ。こうした特徴に着目したハイブランドや人気ブランドが、ZEPETO内でアイテムを販売する流れが生まれている。その背景やZEPETOの特徴、今後の展望について、運営元の日本法人であるNAVER Z Japan(東京都)の日本事業統括を務める加嶋雄一氏に話をうかがった。

アバターに着せるデジタルアイテムを、ハイブランドとコラボして販売

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 韓国に本社を置くNAVER Zが運営するメタバース空間『ZEPETO』。ZEPETOはこれまで150社以上の企業とコラボレーションしてきた。例えば、ハイブランドであるGUCCI(グッチ)との取引は長く、累積70万個以上のデジタルアイテムの販売実績がある。企業はなぜZEPETOに価値を見出すのだろうか。

 「ZEPETOの登録者はグローバルで4億人を超え、その7割をアルファ世代やZ世代が占める。ユーザー層の女性比率が7割以上という点も特徴。企業にとって1020代半ばまでの女性にアプローチできる手段は少ない。だから評価されているのではないか。例えば、ハイブランドの場合は、若い世代にまずブランドを認知してもらい、愛着をもって欲しいと考えている。こうしたユーザーが10年後、20年後に実際の商品を購入する層になっていく」とNAVER Z Japan日本事業統括の加嶋雄一氏は話す。

 企業がZEPETOを活用する方法としては大きく2種類ある。1つはZEPETO内でデジタルアイテムを販売することによるマネタイズ。店舗で販売している実商品と同じデザインのデジタルアイテムを販売することもあれば、ZEPETO用のブランドを作って販売することもある。

 2つめは集客やプロモーションとしての利用だ。ブランド独自のワールド(ZEPETO内の3D仮想空間)をつくり、ECサイトやオウンドメディアに集客したり、実店舗に行くとインセンティブがもらえる仕掛けを用意したりする。

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