ローソン、AI活用の値引き実験を162店に拡大!粗利額と廃棄ロスはどこまで下がるのか?
都内での実験では店舗オペレーションの簡素化に取り組む
今回の実験では、主に2点、前回の実験から得た反省材料を活かした取り組みを行う。
1つ目は、店舗オペレーションの簡素化だ。21年の東北での実験の際は、値引き対象の商品にバーコードをスキャンし、バックルームのストコン(ストアコンピューター:商品の発注や廃棄登録など、店舗のデータを集約したコンピューター)で印刷する、という形をとっていた。今回の実験では、バーコードのスキャンが必要なくなり、本部からストコンに対して値引き率を印刷したバーコードのデータを送信し、店舗はそれを印刷して商品に貼るだけで業務が完結するようになった。
この変更は、今後AI活用による値引きを広げていく上で、都内162店舗の直営店やFC店、駅近店舗や住宅立地の店舗など、さまざまな形態の店舗で応用が効くように、業務をできるだけシンプルにしたい、というねらいがある。「特に都内の店舗では人手不足が深刻で、クルーの経験にもバラつきがある。オペレーションの簡素化は必須だ」(石川氏)
2つ目は、本部が値引きデータを送る時間帯を、細大4回に増やしたことだ。東北での実験では値引きデータの送付が16時に固定されていたが、個店によってはこの夕方の時間帯に他の業務で忙しく、値引きデータを商品に貼ることができない、というケースがあった。そこで、今回の実験では、昼・夕方・夜2回の最大4回、個店の希望に応じて本部から値引きデータを送信する時間帯を分散できるようにした。この変更により、個店はより積極的に値引き業務に取り組めるようになる、というねらいがある。
以上2つの改善で、都内での実験では、廃棄額約4%減と荒利額約1%増を目標に掲げる。ローソンは23年度中に、AI活用による値引きを全国のローソンに拡大していく考えだ。