店舗から有人レジがなくなる? トライアルの「スマートショッピングカート」の革新性

永田 洋幸 (Retail AI 代表取締役社長)
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本連載3回目4回目では、「AIカメラ」について解説しました。今回から次回にかけては、「AIカメラ」と同様に私たちRetail AIが開発したIoT/AIソリューションの代表的ツールである「スマートショッピングカート」についてお話しします。

レジ待ちが不要となるツール開発が世界中で活発化

 最初に、私たちが展開している「スマートショッピングカート」の店舗での使い方について説明します。まず、自身のプリペイドカードでログインします。その後、買いたい商品のバーコードをスキャンしてカゴに入れていき、最後にタブレット内で決済を完了します。「スマートショッピングカート」はPOS機能を有しており、決済をタブレット画面内で完結することで、レジ待ちが不要となる点が大きなメリットです。

「スマートショッピングカート」に備え付けられているタブレット
「スマートショッピングカート」に備え付けられているタブレット

 レジ周りの顧客体験をシームレスにしようとする取り組みは世界的に始まっています。米国ではアマゾン(Amazon.com)が「Amazon Dash Cart」を展開しており、日本では東芝テックの「ピピットカート」や三井物産の「ショピモ」、イオンリテールの「どこでもレジ レジゴー」など、私たちと類似したツールの導入が進んでいます。

 レジ待ちは買物における「最大のストレス」ともいわれています。これが解消されることにより顧客からの支持が高まるほか、コロナ禍では非接触ニーズが伸長していることもあり、無人決済方式の拡大は世界中で不可逆な流れになっています。このようなトレンドを鑑みると、近い将来、私たちが慣れ親しんだ有人レジはなくなってしまうでしょう。

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記事執筆者

永田 洋幸 / Retail AI 代表取締役社長

1982年福岡生まれ。米コロラド州立大学を経て、2009年中国・北京にてリテール企業向けコンサルティング会社、2011年米シリコンバレーにてビッグデータ分析会社を起業。2015年にトライアルホールディングスのコーポレートベンチャーに従事し、シード投資や経営支援を実施。2017年より国立大学法人九州大学工学部非常勤講師。2018年に株式会社Retail AIを設立し、現職就任。2020年よりトライアルホールディングス役員を兼任。

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