ついにベールを脱いだ、ローソンの「未来のコンビニ」の実像

取材・文:小野 貴之 (ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長)

※この記事は、約3か月前にDCSオンライン+会員向けに公開した記事を、フリー記事として再公開しています。

ローソン(東京都/竹増貞信社長)とKDDI(東京都/松田浩路社長CEO)が次世代型コンビニエンスストア(CVS)のモデルづくりに向けて動き出した。両社は6月23日、「未来のコンビニ」を標榜する「Real×Tech LAWSON」の1号店として「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」(以下、高輪店)をオープンした。

大型サイネージ、ロボット、AIなど従来型のCVSにはない新技術が詰め込まれた同店。この店舗を通じて、両社は何を実現しようとしているのか。

KDDI新本社の6階部分に出店!

 「ローソンは今年50周年を迎えた。この店舗は次の50年の第一歩にふさわしい店舗だ」

 「Real×Tech LAWSON」の報道発表会に臨んだローソンの竹増社長はそう話す。

竹増貞信社長(左)と松田浩路社長
「Real×Tech LAWSON」1号店オープンの会見に臨んだローソンの竹増貞信社長(左)とKDDIの
松田浩路社長(写真提供:ローソン)

 ローソンは6月23日、「未来のコンビニ」と位置づける高輪店をオープンした。出店地は2020年に開業した山手線の「高輪ゲートウェイ」駅前。JR東日本のまちづくり事業「TAKANAWA GATE WAY CITY」内、KDDIの新本社が入る複合ビルの6階部分に出店した。店舗サイズは一般的なCVSと同規模。典型的なオフィス立地となるが、一般客も利用可能だ。

高輪店の外観
高輪店の外観。KDDI本社が入る複合ビルの6階、オフィス立地だが一般客も利用できる

 24年9月に三菱商事とKDDIが50%ずつ出資する共同経営体制に移行したローソン。新体制発表時、ローソンはKDDIの技術を取り入れた次世代型CVS「Real×Tech LAWSON」を出店することを明らかにしており、この高輪店がその1号店となる。25年7月には、同じ建物内、KDDI社員の専用フロアに2号店を出店予定で、この2店舗で今後実験を重ねていくとしている。

 なお、高輪店はローソンがKDDIとフランチャイズ契約を結び、KDDIがフランチャイジーとなって運営している。「KDDIが主体となって運営することで、知見を蓄積しながら、発見した課題にスピード感をもって取り組んでいく」(KDDI担当者)ためだという。

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取材・文

小野 貴之 / ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長

静岡県榛原郡吉田町出身。インターネット広告の営業、建設・土木系の業界紙記者などを経て、2016年1月にダイヤモンド・リテイルメディア(旧ダイヤモンド・フリードマン社)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属し、小売企業全般を取材。とくに興味がある分野は、EC、ネットスーパー、M&A、決算分析、ペイメント、SDGsなど。趣味は飲酒とSF小説、カメラ

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