バロー、ヤオコー、サミット……食品スーパー3月期決算を総括!

取材・文:植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)、小笠原 玲 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)、関川 耕平 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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食品スーパー(SM)の2025年3月期決算が出揃った。コスト上昇の逆風下でもバローホールディングス(岐阜県/小池孝幸社長:以下、バローHD)、ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)、サミット(東京都/服部哲也社長)の主要3社は、軒並み増収・増益で着地している。

各社の業績と最新の成長戦略をレポートする。

バローHD

30期連続の増収!D・Sの定着進む

 バローHDの25年3月期の連結業績は、営業収益が8544億円(対前期比5.8%増)、営業利益が231億円(同1.5%増)、経常利益が261億円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が136億円(同14.3%増)と増収増益だった。

 営業収益は30期連続の増収、当期純利益は過去最高を更新。売上総利益率の改善と減損損失の縮小が利益を押し上げ、人件費や光熱費の上昇分を吸収し、増益につながった。

バローHDのロゴ

 主力のSM事業の営業収益は同6.4%増の4833億円、セグメント利益は同4.6%増の194億円と、グループ全体の業績をけん引した。既存店売上高は4.1%増となった。

 目的買いを促す生鮮特化型フォーマット「デスティネーション・ストア(D・S)」の導入が進み、生鮮食品の鮮度訴求や即食提案といった店内施策が客数・客単価の双方を押し上げ、売上拡大に寄与したかたちだ。

 一方、ドラッグストア(DgS)事業の営業収益は同3.8%増の1773億円、セグメント利益は同26.2%減の40億円。生鮮導入など成長投資が先行し、減益となった。

 ホームセンター(HC)事業も営業収益が同2.8%増の1274億円、セグメント利益は同7.3%減の35億円と増収減益。高粗利商材の不振と改装費などの増加が利益を押し下げた。

 地域別では、関西圏の売上高が470億円と対前期比約41%の大幅増となった。これを受けて、これまで500億円としていた関西での売上目標を1000億円へと引き上げる。一方、

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取材・文

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修士課程修了後、関西のグルメ雑誌編集部を経て、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。関西小売市場やDX領域を中心に取材・執筆を担当している。現在は大阪府在住。

まとまった休日には舞台・映画鑑賞を楽しむほか、那智勝浦へ弾丸旅行に出かけることも。世界各国の家庭料理を再現するのも趣味のひとつだが、料理に入れたスパイスで歯が欠けたので今は控えめに取り組んでいる。

取材・文

小笠原 玲 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

早稲田大学文学部(ドイツ哲学専攻)を卒業後、教育系の編集プロダクションで国語の入試問題の制作を担当。2024年、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。

休日の大半を台所で過ごすほど、無類の料理好き。得意な料理は、出汁巻き卵と切り干し大根の煮物。料理研究家の土井善晴氏を尊敬している。

趣味は、ミニシアターで映画をみること。音の大きな映画が苦手で、日常を切り取ったような変哲のない映画やドキュメンタリー映画を好む。見た作品のリーフレットを持ち帰り、コレクションしている。

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関川 耕平 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

1995年生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。

24年に株式会社ダイヤモンド・リテイルメディアに入社し『ダイヤモンド・チェーンストア』の担当編集者となる。

趣味はクライミングとコーヒーを淹れること。特技と悩みは浪費と早食い。

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