スーパーマーケットの常識を覆す、大胆なチャレンジが随所に! 「ロピア三田対中店」をレポート

矢野清嗣
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●加工食品 オリジナル商品が存在感放つ

 加工食品は、直近の新店で導入する韓国食材の扱いはなく、オーソドックスな構成になっている。調味料はメリハリをつけた品揃えで、鍋つゆに力を入れ、9尺のスペースで51品目を扱う。「Mizkan・〆まで美味しい鍋つゆ」シリーズをベースに、「盛田」「イチビキ」「ベル食品」なども揃えるバラエティに富んだラインナップとなっている。

注目はたれ・スパイスコーナーで、オリジナル商品11品目のほか、「ろくすけ本舗・ろく助塩」、「アルカフーズ・無限スパイス」、「クエストページ・バカまぶし」などこだわり商品も絡めた個性的な構成となっていた。

 全体的に催事売場が少なく、定番重視の構成であるようで、人手不足のためか棚管理は行き届いてはいなかったが品切れは少なく、最下段の商品を中心によく売れていた。

●飲料・酒類 「ゾーン」を形成!

 ロピアの飲料・酒類売場は従来、入口から見て縦方向にゴンドラを並べるのが主流だったが、三田対中店では一部を横方向に配置。横方向18尺5レーンを縦方向63尺が左右から挟んだ、ゾーンのような売場にしている(レイアウト参照)。

 飲料は500mℓペットボトルを左サイド壁面に配置し、平場では大型ペットボトル飲料を揃える。下2段はケースを扱う。「準PB」の位置付けと思われる、「徳岡・甲斐の優しい水2ℓ」(1本55円、6本273円)が目を引いた。酒類はウイスキーを店舗奥の主通路側に配置し、ボードを使って商品をアピール。ワインは右サイド12尺のスペースで直輸入ワイを365円~599円の価格帯で販売していた。

ロピア三田対中店の売場レイアウト

●まとめ トップNBをあえて扱わない、衝撃の品揃え!

 ロピアの店舗では、週末はレジに長蛇の行列ができるのが恒例だが、この三田対中店では、そうした光景を見かけることはなく、レジ精算もスムーズに行われていた。けして客入りが少ないわけではなく、開店から夕方まで店内はにぎわっているものの、どのお客もゆったりと買物を楽しんでいる様子で、ほかのロピアとは異なる雰囲気を筆者は感じた。お客からすれば、この程度の混み具合が買物には最適なのかもしれない。

 今回の調査で最も驚いたのは、日配や加工食品などの売場において、各カテゴリーNO.1のNB(ナショナルブランド)商品を扱っていないという点だ。

 たとえば、プレーンヨーグルトの売場は19品目の扱いで、ケース下段では4個入りのバンドル販売を実施するほか、「日本酪農協同・毎日ヨーグルトプレーン400g」(89円)、「山陽乳業・バニラヨーグルト375g」(99円)などをメーンに扱っており、「明治・ブルガリアヨーグルト」の扱いはなかった。

 冷凍食品売場内、冷凍餃子コーナーでも、「味の素冷凍食品」「大阪王将」は扱わず、自社の「ユーラス・やみつき肉餃子25g×30」(1個699円、2個1299円)、「五味八珍・浜松餃子28個」(799円)などを販売。食品スーパーの常識では考えられない、思い切りのいい品揃えとなっている。

 「単価が高い商品を売り込むのであれば、No.1商品はあえて扱わない」という判断なのだろうか。こうした大胆な発想による売場づくりができるのも、ロピアの強さである。

(店舗概要)
開店日 2022年9月23日
所在地 兵庫県三田市対中町19-12
売場面積 約550坪(歩測)
営業時間 10;00~20:00

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