イオンがベトナムで出店攻勢! 同国初の中型SC「イオンタンアンSC」の全貌
3階は全体で子供向けフロアを形成
タンアンSCは4つのフロアで構成されており、総合スーパーを核に、30店舗のテナントのほか、「MY CLOSET」「HOME COODY」をはじめとしたイオンが手がける専門店なども出店。施設規模がコンパクトなぶん、ワンストップショッピングの利便性を追求している。
1階は食品スーパー売場、デリカ売場のほか、「スターバックス」をはじめとした人気の飲食店が出店する食品中心のフロアだ。デリカ売場は、売場面積750㎡の広さに「セルフサービス型フードコート」として展開する。寿司やおにぎり、サラダバー、ベーカリーなど豊富なメニューを揃えており、イートインは188席を備えている。ローカライズしたメニューも多く、タンアンSCではベトナム南部・メコンデルタの味覚を楽しめる鍋料理を新たに投入した。人気の根強い寿司や、200種以上の商品を焼きたてで提供するベーカリーがソフトオープンでは大好評だったという。

2階では、ファッション、アクセサリー、家電などのテナントが出店している。特筆すべきは、イオンが手掛ける自社ブランド店舗だ。衣料品を扱う「MY CLOSET」では、Z世代をターゲットに定め、多様なスタイルの衣服を提案する。インテリア用品の「HOME COODY」では、シンプルなデザインの商品を中心に取り揃えた。

続く3階は、キッズ・エンターテインメントゾーンと題し、子ども向けの遊び場やフードコート、ゲームセンターなどが入る。衣料品、家具、寝具でもベビー・キッズ向けの商品を多く揃え、授乳用品やおもちゃなども展開している。また、無料のキッズプレイグラウンドも併設し、ファミリー層の来店を促したい考えだ。そのほか、3~4階には映画館も入居している。
大泉氏は「ベトナムは平均年齢が約34歳で、若いファミリー層の来店が期待できる。タンアンSCでは、実験的に3階をキッズゾーンとしてつくっており、今後もキッズは強化していくつもりだ」と話している。


2030年度までに店舗数を3倍に
大泉氏はベトナムにおける今後の出店について、「5~10年で300~500店舗の出店余地はある」と明言。すでに来年(26年)も4店舗の出店が決まっているとしたうえで、2030年度までに店舗数を現在の3倍に増やす計画だという。2大都市であるハノイとホーチミンのほか、地方の中核都市にも出店を拡大していく。大都市圏では小型食品スーパーの出店も検討する。
イオンが「日本に次ぐ重要な市場」と位置付けるベトナム。同社は、新たに中型ショッピングセンターが加わったマルチフォーマット戦略、自社ブランドの活用など、グループシナジーの発揮によりさらなるシェア獲得をめざす。







イオンリテール古澤社長が示す、「新しい総合」の設計図

