若年層の取り込みに成功! イオンリテールの「住居余暇改革」の全貌

取材・文:小笠原 玲 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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イオンリテール(千葉県/古澤康之社長)が、総合スーパー(GMS)の住居余暇売場の改革を本格化させている。同社は3月20日、神奈川県相模原市にある「イオンスタイル相模原」(以下、相模原店)内の住居余暇売場を5つの専門店からなる「HOME&ENTERTAINMENT」としてリニューアルオープンした。

「住まいとエンターテインメント」をコンセプトにする同屋号での出店は、昨年9月に改装オープンした実験店「イオンスタイル大日」(大阪府守口市、以下大日店)に次ぐ2店舗目となる。イオンリテールの「住居余暇改革」の全貌に迫る。

専門店×エンタメ性で客層の拡大ねらう

 イオンリテールは3 月20 日、「イオンモール相模原」(神奈川県相模原市)内の2階に位置する「イオンスタイル相模原」の住居余暇売場を「HOME&ENTERTAINMENT」としてリニューアルオープンした。

イオンスタイル相模原店
リニューアルオープンした相模原店。中央の通路は子供連れのお客が買物しやすいように広めにとっている

 イオンの住居余暇売場は、モール内上層階や店舗奥に配置されることが多く、かねてより集客力の弱さが課題となっていた。これを打開すべく、近年イオンリテールは「ホーム&エンターテインメント導入モデル」に注力している。

 売場をカテゴリーごとに専門店化し、エンターテインメント性を取り入れた商品を展開することで、子供から大人までが足を運びたくなるような楽しい売場づくりをめざしている。

 売場を専門店によって構成するモデルは、2023年4月にリニューアルオープンした「イオン船橋店」(以下、船橋店)での衣料品改革に始まるものだ。船橋店では、売場全体の“シニア感”を払拭して若年層に来店してもらうために、商品をターゲット・使用場面ごとに分けて売場を再編。

 什器の高低を生かした仕切りによって、独立した6つの専門店が並ぶような売場にした。とくに1990~2010年生まれのZ世代向け売場「ネクストエイジ」の実証実験では、若年層の取り込みに成果を上げている。

 この「専門店モデル」の要素を住居余暇売場に取り入れたのが、昨年9月に改装オープンした大日店だ。同店は「HOME& ENTERTAINMENT」の屋号を初めて導入した店舗で、住居余暇売場改革の実験店に位置づけられる。

 売場は、ホビー・クラフトの「ZACCARA(ザッカラ)」、文房具の「Stagraphy(スタグラフィ)」、携帯電話の「AEON MOBILE(イオンモバイル)」、家電・リフォームの「DIGITAL WORLD(デジタルワールド)」、ホームファッションの「HOME CÓORDY(ホームコーディ)」の5つの専門店で構成される。

 幅広い世代を集客できるように、

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取材・文

小笠原 玲 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

早稲田大学文学部(ドイツ哲学専攻)を卒業後、教育系の編集プロダクションで国語の入試問題の制作を担当。2024年、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。

休日の大半を台所で過ごすほど、無類の料理好き。得意な料理は、出汁巻き卵と切り干し大根の煮物。料理研究家の土井善晴氏を尊敬している。

趣味は、ミニシアターで映画をみること。音の大きな映画が苦手で、日常を切り取ったような変哲のない映画やドキュメンタリー映画を好む。見た作品のリーフレットを持ち帰り、コレクションしている。

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