「オーケー川越伊勢原店」がオープン! ヤオコー、ベルクと直接対決に

上林 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)は8月5日、埼玉県川越市に「オーケー川越伊勢原店」(以下、川越伊勢原店)を開店した。いなげや撤退跡にオープンした同店。店舗から半径2km圏内にはヤオコーの旗艦店、ベルクの改装店が構えるなど、有力チェーンが密集する熾烈な競争環境を形成している。

8月5日にオープンしたオーケー川越伊勢原店の外観
8月5日にオープンしたオーケー川越伊勢原店

川越市内では2店舗目の出店

 川越伊勢原店があるのは、JR川越線「的場」駅から北に徒歩約20分、東武東上線「鶴ヶ島」駅から東にバスで約5分の場所。周辺は住宅密集地で、学校や公民館もある。店舗の南側に面する「おいせ橋通り」は、南側で県道15線と接続しているため、交通量が多い。店舗には140台の駐車場を完備し、クルマでの来店も多く見込んでいる。

 近隣の自社店舗は、川越伊勢原店から東に8km離れた「オーケー川越店」のみだ。川越市内には同店に次ぐ2店舗目の出店となるため、エリア内での認知度は高くない。そのため、川越伊勢原店では「オーケーらしさ」を伝える売場づくりに注力する。売場面積は約600坪と広く、大型店の位置づけだ。広い売場を生かし、生鮮を中心に幅広い商品を安く提供することで、オーケーの掲げる「高品質・Everyday Low Price」の価値を伝えていくという。

ヤオコー、ベルクの“ホーム”で激突

 川越伊勢原店は、20249月に閉店した「いなげや川越伊勢原店」の跡地に居抜き出店した。いなげや撤退の要因は、エリア内の熾烈な競争環境が1つに挙げられるだろう。

 川越伊勢原店の約1km南には「ヤオコー川越的場店」、約1.3km南には「ベルク的場店」と、有力チェーンがひしめく激戦区だ。ヤオコーは川越市に、ベルクは川越市と隣接する鶴ヶ島市にそれぞれ本社を構えており、まさに2社のお膝元といえる。

高い集客力を誇るヤオコー川越的場店

 このうちヤオコー川越的場店は旗艦店の位置づけで、自社開発の近隣型ショッピングセンター「マーケットプレイス」の核店舗として12年にオープンした店舗だ。生鮮3品・総菜の売場を大きく展開し、開業当初は業界中の注目を集めた同店。23年には改装を実施しており、集客力に磨きをかけている。さらに、「的場」駅の西側に位置するベルク的場店もオーケー出店の約1カ月前である75日にリニューアルオープンしており、”オーケー対策”は万全だ。

 競争力の高いチェーンが近距離で競合しているということもあり、業界関係者の人気視察先としても知られる同エリア。価格競争力の高いオーケーの登場により、エリア内のシェア争いはさらに激しさを増していきそうだ。

※オーケー川越伊勢原店の売場づくりや商品政策の詳細については、雑誌「ダイヤモンド・チェーンストア」および「ダイヤモンド・チェーンストアオンライン」で近日公開予定です。

記事執筆者

上林 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

2000年生まれ。埼玉県出身。法政大学文学部英文学科卒業後、地方新聞社の営業職を経て株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。

流通小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部で執筆・編集を行う。

趣味はお笑い鑑賞、音楽鑑賞。一番好きなアーティストは椎名林檎。

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