生鮮売場を確保する巧みなレイアウトに注目! 「ロピア千種店」の売場を徹底解説

矢野清嗣
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加工食品はスパイスに力を入れる

 加工食品・飲料・酒の売場スペース構成比は27%とほぼ標準。全体に売場は縮小されているが、定番はロピアスタイルを踏襲している。

 スパイスは21尺で展開している。アウトドアスパイスは6尺で棚に「うお~かけてかけまくろ!!」の帯。塩・アウトドアスパイスで110品目の扱いがある。パスタは「はごろもフーズ・ポポロスパゲティ7700g」(259円)を主力に棚6段で販売。即席袋麺は3尺で「サンヨー・サッポロみそ5袋」(329円)など10品目に、カップ麺は大型サイズを中心に35品目に絞った。売れ筋は「ハウス食品・バーモントカレー230g」(199円)、「キユーピー・マヨネーズ450g」(299円)など。

オリジナルの調味料も多い。写真はイタリア産の黒トリュフを使った「トリュフ醤油」
「なつかしの香ばしむぎ茶(56パック入り)」。水出し・煮出し共用の麦茶パック

 飲料の定番は30尺と売れ筋商品に絞り、催事に力を入れている。水は「友桝飲料・蛍の郷の天然水500ml」(39円、3111円)を販売。酒はスペースを割いて、とくにウイスキーは15尺取った。輸入ウイスキーはスコッチを軸に鍵付き7ボックスを展開するなど55品目、台湾も4品目陳列。日本酒は岐阜県、愛知県、三重県の地酒の扱いがあるなどきめ細かい対応が取られている。

菓子売場は縮小も、催事が目立つ

 エスカレーターがほぼ中央で前方ゾーンが変則的なため、菓子売場が縮小されているが、催事対応が多く、売場スペース構成比は12%と高い。定番は売れ筋部門をベースに構成。菓子大袋は1246品目の扱い。「ロッテ・チョコパイ9個」(279円)、「不二家・カントリーマアム19個」(199円)、「明治・ベストスリー135g」(259円)と売れ筋商品で構成している。

オリジナルの「割れせんべい」はグループ企業のユーラスが製造。生地を焼き上げた後に割っている

都心店を意識してさまざまな工夫

 千種店は居抜き出店で、エスカレーターが売場中央にあるという建物の制約もあり、レイアウトには苦労の跡が見えた。ただ生鮮売場のスペース構成比は38%と生鮮ゾーンはきちんと確保し、かつ生鮮一体型を維持し、力を発揮していた。加工食品売場の商品構成は定番を中心とし、絞り込んだ。今年2月に三重県1号店としてオーブンした「桑名サンシティ店」(三重県桑名市)の売場を踏襲しているように思えた。

 売場は落ち着いた雰囲気で、配置も合理的でムダが少ない。スペースの制約があるため、レジにも工夫が見られた。並ぶレーンは2カ所だが、それをレジ8台で対応することで、狭いスペースを効率的に使用していた。

 商品は全体に堅実で売れる商品に絞っている。都心型店舗であることから名古屋みなと店と同様に営業時間を21時まで延ばしている。愛知県内の他店では19時か20時までの営業だ。

 来店客は夫婦連れが多いが、都心の店舗であるため客層が広く、外国人客も多い。調査日にはお客は途切れることはなかった。ロピアはもともと都心店が強い。その強さを見せてくれた店であると言える。

(店舗概要)
所在地  愛知県名古屋市中区新栄3-20-24
開店日  2024年5月15日
売場面積 約510坪(歩測)
営業時間 10:00~21:00
駐車台数 約150台
アクセス JR中央線・地下鉄東山線「千種」駅徒歩約3
競合店  マックスバリュ グランド千種若宮大通店

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