広大なスペースを生かした「理想的」な店? 「ロピア新座店」調査レポート

2023/11/08 05:59
矢野清嗣
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ロピア(神奈川県)は2023年7月26日、埼玉県新座市に「ロピア新座店」を出店した。Olympic(東京都)が運営する商業施設内、広大なテナントスペースを存分に活用し、ロピアとしては“理想的”な売場配置を実現した同店ではどのような売場づくりをしているのか。前編に続いて、同店の売場を見ていこう。
調査日;8月10、12日 ※本文中の価格はすべて本体価格

ロピア新座店の外観

看板部門の精肉売場!

 生鮮ゾーンの突き当たりで展開する精肉は売場面積が約170坪(歩測)で、「肉のロピア」というサインを大きく掲げ、看板部門であることを強調している。入口から見て右壁面48尺では牛肉を展開しており、「ブロック」「ステーキ」「焼肉」「すき焼き」「しゃぶしゃぶ」などメニュー別に商品を陳列。国産の黒毛和牛のほか、オリジナルブランドの「みなもと牛」「適霜牛」など米国産と豪州産の輸入牛を絡ませ、幅広い価格帯で商品を提供する。

国産肉ブランド「適霜肉」の「ランプステーキ用」(100g398円)

 豚肉・挽肉は壁面36尺で、草加センターからの納品で対応する。輸入豚は店内加工で、豪州産の「豚バラスライス」(100g118円)、メキシコ産の「豚ロース生姜焼」(100g86円)、スペイン産の「豚肩切り落とし」(100g78円)など他店を圧倒する安さで提供する。カナダ産の「豚肩糸巻焼豚用」(100g89円)など一般的なスーパーマーケットではあまり見かけない商品もしっかりと押さえており、品揃えの豊富さも目を引く。この商品構成こそ、ロピア精肉売場のノウハウなのであろう。

 鶏肉は「みなもと鶏」をメインに、「博多地鶏」「甲斐新鮮鶏」なども扱う。価格訴求の「メガ盛り」のほか、みなもと鶏の「むね肉」(100g39円)、「手羽とろ(肩肉)」(100g69円)なども値ごろを感じられる価格で提供していた。

 ロピアの精肉売場は独特な雰囲気があり、売場内では同伴者と話しながら買物を楽しむ様子をしばしば見かける。大容量中心で1品当たりの単価が高いため、相談しながら買物をしているのだろう。商品を「売る側」と「買う側」の“せめぎ合い”が売場に活気をもたらしている。

オリジナル商品だけじゃない!圧倒的安さは健在

 広大な売場スペースを生かし、加工食品を充実させていることもあって、加工食品の売場スペース構成比は26%と、関東の比較的新しい店舗である「おおたかの森コトエ店」(千葉県流山市:21%)、「越谷大里店」(埼玉県越谷市:23%)と比較すると、3~5%ほど高い(いずれもオープン時のデータ)。ゴンドラゾーンは前方に「飲料」「麺類」缶詰」など、後方に「飲料」「乾物」「調味料」「嗜好飲料」を配置。全体に売れ筋を過不足なく揃えた堅実な構成となっている。

ロピア新座店の売場スペース構成比

 調味料はナショナルブランド(NB)商品に、グループの丸越醸造が製造する商品を絡めた独自のラインナップとなっている。オリジナル商品が増えたこともあって、NBとの比較した提案が随所で見られるようになっており、とくに最近では22年に買収した道場六三郎事務所の監修商品が目立つ。どの商品も付加価値が感じられる仕様となっており、差別化に一役買っている。

傘下の丸越醸造が製造する万能ソースの「鬼バタ」。有名料理人、道場六三郎氏が推奨していることをパッケージでアピールする
同じく道場六三郎氏推奨の「心の白だし」

 オリジナル商品の品揃えだけでなく、売れ筋NBの価格訴求も徹底されており、「キユーピー・マヨネーズ450g」(255円)、「日清食品・日清ラ王袋麺5食」(各種333円)、「大塚製薬・ポカリスエット1.5ℓ」(189円)、「はごろもフーズ・ポポロスパ7分結束700g」(199円)、「ハウス食品・バーモントカレー甘口230g」(199円)と他チェーンではなかなか真似できない価格で販売。昨今の値上げラッシュもあって、以前より控えめになったと思われたロピアの価格訴求だが、その勢いは衰えていない。

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