ワンランク上の品揃えでも割安感あり! 都市型小型店「オーケー札の辻店」を解説!

2023/10/10 05:59
榎本 博之(経営コンサルタント事務所 アズライト代表)
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札の辻店から感じた「選びやすさ」

 全体的に、札の辻店の品揃えは“ワンランク上”を意識された構成となっており、一品単価を向上させたいというオーケーのねらいが透ける。それでも、駅を挟んで反対側にある「ライフムスブ田町店」の品揃えと比較すると、価格の割安感は出ており、オーケーが方針に掲げる「高品質・EDLP」の訴求は十分になされていると言っていい。

 札の辻店は229.3坪(757.97㎡)という売場面積の制約があるものの、各部門内ともメリハリのある品揃えとなっており、むしろ選びやすいと感じるお客も多いのではないかと筆者は考える。色々な商品がただあるのではなく、オーケーではおなじみの「オネストカード」やパッケージ表記による情報発信によって、どんな商品なのかが一目でわかるようになっており、これもお客の選びやすさにつながっている。来店客の会話に耳を澄ますと、「イオン」「サミット」といった他チェーンの名前が聞こえてくる。お客は上手に使い分けをしてこの札の辻店を利用しているようだ。

 前編でも述べたが、オーケーはDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進することで作業効率を向上させ、作業を属人化させず、誰もが取り組みしやすい環境を整えている。そして、それがオーケーのローコストオペレーションが原動力となっている。オーケーは今秋、10月に東京・銀座の一等地への出店となる「銀座店」(東京都中央区)、11月には百貨店大手の髙島屋が運営する商業施設「立川髙島屋 S.C.」(東京都立川市)内への出店を予定する。こうした都市立地への出店が可能になっている点も、オーケーが推進するローコストオペレーションが下支えしているのである。

(店舗概要)
所在地 東京都港区芝5-36-4 (札の辻スクエア 2階)
営業時間 08:30-21:30
駐車台数 52台(札の辻スクエアの有料駐車場)
売場面積 757.97㎡ (229.30坪)

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