今度はパン専門店 ゴディバブランドが多角化でむしろ輝く、マーケティングの極意とは
なぜ多角化でもブランドが希薄化しないのか
コンビニやスーパーマーケットで販売する製品もあれば、多様なコラボ展開による企画商品、業態ではGODIVA cafe、GODIVA dessertなど、より幅広い層へアプローチを続けながら、同社は日本市場で確固たるポジションを構築してきた。ともすれば、ブランドイメージを下げかねないが、むしろファン層を拡大し、その特別感の喧伝に成功している。
挑戦的にみえる施策の数々も、巧みなマーケティング戦略の一環であり、決してブランドの切り売りではない。それを可能にしているのは、同社がブランド=信頼ということを熟知しているからに他ならない。
かつて、義理チョコをやめようと発信したこともあるゴディバ。その真意は贈り物は心を込めてするものだからというもの。裏を返せばそれだけ製品づくりに丹精を込めているということだ。
連日“完売”が続くゴディパンが拡げるファン層
高級ブランドでありながら、300店を超える多店舗展開で販路を確保。マルチチャネル戦略で多様な製品を生み出し、さらに販路を拡張、日本市場で存在感を高めてきた同社。初のパン専門店は、すでにオープンから配布の整理券が全てはける状態が連日続いている。
このパン専門店で初めて「ゴディバ」に触れた人がゴディバファンになり、これまでのゴディバファンがさらにその魅力を再発見するーーそんな連鎖によって、ゴディバブランドはより強固になり、より多くのファンを開拓していく。
ブランディングとはなにか。マーケティングの極意とは。同社の哲学から学べることは多い。