横浜を知り尽くしたローカルチェーン! 「食品館あおば」の強さの正体

2023/08/22 05:55
矢野清嗣
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地域特性を理解した独自のスタイル

 筆者は長年業界をウォッチしているが、ここ数年で食品スーパーの売場スタイルが大きく変化していると感じている。とくに首都圏において大きな影響を与えているのがロピアの存在だ。「量感」と「質感」に「価格訴求」を絡ませ、「大容量」「オリジナル商品」を打ち出したロピアの商品政策が消費者の支持を集めており、それを模倣するチェーンもあらわれている。

常盤台店の売場レイアウト

 それに対して常盤台店では、たとえば青果売場を見ると、売れるぶんしか商品を並べず、ロピアのようにキャベツやレタスを山積みにすることもせず、商品1品1品の「質感」が重視された売場としている。精肉は大容量商品を豊富に揃えることで「量感」を打ち出しているものの、単品にフォーカスすると陳列量は少ない。専門店運営の鮮魚も多彩なラインナップであるものの、「量感」はそれほどない。総菜も「弁当」「フライ」を大量に並べるのではなく、売れるぶんだけ陳列し、常時補充を行うことで対応している。

 どの売場も「量感」ではなく、「質感」が重視されているのがわかる。 従来の画一的な売場ではなく、それでいて近年影響力を増すロピアとも一線を画した独自のスタイルが構築されているように筆者の目には映った。「横浜」という地域特性を深く理解したビック・ライズがたどり着いたスタイルと言っていい。

 横浜市の人口は約377万人で、東京23区を除けば全国NO.1の人口を誇る。魅力的なマーケットとあって、最近はヤオコー(埼玉県)やベルク(同)といった業界の優良チェーンも横浜市内へ進出している。現在、市内に17店舗を展開するビック・ライズは、強豪相手にどう戦うのか。地の利を生かした同社の戦い方に注目だ。

(店舗概要)
所在地 神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台22-7
開店日 2022年7月28日
売場面積 約400坪(歩測)
営業時間 10:00~20:00
駐車場 約190台
駐輪場 約120台

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