【立川志ら乃のスーパーマーケット徒然草】スーパーの”照明”にハマった落語家。

2023/08/11 05:55
立川 志ら乃 (落語家)
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ジャパンミートの店で気づいた、「照明」の重要性

 5~6年前からスーパーマーケットの照明が気になり始めました。錦糸町のジャパンミートの寿司コーナーが「めちゃくちゃ美味そう!」と感じたのがきっかけだったと思います。

 そのときは、商品自体のすばらしさや、寿司コーナーが壁沿いではなく売場中央に”島”のように配置されたレイアウトで、お客さんが全方位からその場所にアプローチしやすい環境なのがいいのか? などと考えておりました。おそらくそういった計算もあるのかと思いますが、「どうしてあれほど美味そうに感じたんだろう」という思いは強く残り、後日再びその売場に行ってみると…

 「めちゃくちゃ照明が強い!」ということに気がついたのです。照度が高いというだけではなく、天井から照明を吊るして近くで当てている! 錦糸町のジャパンミートは最近行っていないので、今は変わっているかもしれませんが、当時は寿司以外の総菜は柱を背にした配置で明かりは天井部のライトのみだったと記憶しています。つまり寿司は”特別扱い”の演出だったわけで、その特別感を出すために「明かり」の使い方に工夫が凝らされていたわけです。

 そういえば。私はオオゼキの新店舗開店&リニューアルオープンにほぼ毎回足を運んでいるのですが、そこでもとにかく入口で「明るい!」と感じます。「まぶしい!」のではなく、気持ちのいい「明るさ」なのです。

 もう1つ思い出しました。以前あるTV番組で「西友の復活劇」を取り上げていたのですが、そのなかで利用客の「店内が暗い」という指摘を受け、まずその改善から始めた――。というエピソードが冒頭で紹介されていました。その番組を見てから西友の店舗にいくつか伺ったのですが、「これで明るいなら、以前はどんだけ暗かったんだよ」と突っ込みたくなってしまうほど、”適度な明るさ”の店舗が多い印象を受けました(私見です)。まぁ明るけりゃいいというわけでもないし、好みの差がかなり出るところかもしれないので、それはそれでいいのですが。ちなみに西荻窪の西友はめちゃくちゃ明るかったので、特に基準があるわけでもないのかも…。

トレードショーでやさしくしてもらった「遠藤照明」さん

  …なんてことをここ最近考えていたので、今年のスーパーマーケット・トレードショーでは照明関連のブースも覗いてみたい!と心の底で考えておりました。

 実際に現地に行くと、ありましたありました。目に飛び込んできたのは「遠藤照明」さんという会社のブース。同行していた弟子に「照明ってスーパーマーケットにとって大事なものなんだよ!あそこのブースに行こう!」声をかけてみると、

 「そうですね!われわれ落語家にとっても照明は大事なものですしね」

 と。…確かに!

 そしてブースをジロジロ見ていたら、担当の方に「何か気になることがございますか?」と声を掛けてもらったので、上記の気になっていたことなどをぶわ~っとぶつけてみた。

 「なるほど…よろしければお名刺いただけますか?」

  しまった…!調子こいてまた余計なことをしゃべってしまった!と反省。

 「申し訳ないです…。私スーパーマーケットの関係者じゃなくて…」

 すると担当の方は爆笑しながら、

 「いやいや、今伺ったお話、スーパーマーケット関係者の視点ですよ!」

  …やさしく対応していただきありがとうございます!!!

 そんなこんなで、遠藤照明さんのブースで、色味の調整ができる商品のラインアップや、電気代をどうやって抑えていくのかなど、スーパーマーケット経営においてとても重要な”おとなのおはなし”をたくさん伺うことができたのです。 

照明の大切さをトレードショーで学ぶ(イラスト:立川のの一)
照明の大切さをトレードショーで学ぶ(イラスト:立川のの一)

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記事執筆者

立川 志ら乃 / 落語家

1974年2月24日生まれ。98年3月、立川志らくへ入門。2012年12月に真打ち昇進。16年7月に「スーパーマーケットが好きである」ことを突如自覚。スーパーに関する創作落語に「グロサリー部門」「大豆なおしらせ」など。寄席やイベントなどのスケジュールは下記Twitter・ブログをご参照ください。

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