野外空間使って焚き火も体験!開業7年で全国に浸透した「唯一」のアウトドア用品専門SCとは

崔 順踊(リテールライター)
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 モリパークアウトドアヴィレッジは当然、訳あり品や旧作を廉価販売するアウトレットモールではなく、各ブランドの新作が並ぶSCだ。従来、東京でアウトドアのブランド商品を探すなら、原宿やお茶の水など都心に点在するショップを「はしご」するのが定番といえたが、モリパークアウトドアヴィレッジはワンストップで人気ブランドのキャンプや登山の専門的なグッズ、アパレルの新作をチェックすることができる。テントのように大型の商品も組み立てられた状態で並んでおり、カヤックも水の上で試乗できるのだ。 

 

飛行機メーカーの不動産部門から分社 毎年右肩上がりの売上

 モリパークアウトドアヴィレッジを運営するのは昭和飛行機都市開発。前身の会社は1937年設立の飛行機や関連部品などのメーカーで、戦後に米軍接収施設が返還されたことを機に1969年以降、ゴルフ場をはじめ、テニスクラブなどを開設してきた。1984年から昭島駅北口エリアで大型複合施設「モリタウン」をオープンし、段階的に施設を拡充させ、現在はショッピング、グルメ、リゾート、エンターテインメントを集積し、約2300台収容の駐車場を備えた郊外型ショッピングモールへと発展した。そこへ2015年3月にモリパークアウトドアヴィレッジが加わり、2021年4月にエリア全体を「東京・昭島モリパーク」としてリブランディングしたことにより、近隣に数ある郊外型ショッピングモールと一線を画す特徴が生まれた。

 同社理事で商業施設部長の高橋佐登志氏によると「売上はオープン以来毎年、右肩上がりで伸びている。コロナ禍で2カ月休業し、一時は停滞したが、コロナ禍はアウトドアにとっては追い風だったため、キャンプブームによって休業明けの売上は5割増しになった」という。

 来訪者の反響も好意的で、体験から消費への行動もみられるという。

「お子さまが丸太の上を飛び跳ねるなど、楽しんでいる姿を見るとこちらも嬉しい。冬は焚火と焼きマシュマロの体験イベントを開催しているので、お子様連れにも良い体験を提供できていると感じている。体験後に、焚火台を購入される方もいて、モリパークアウトドアヴィレッジは『コトからモノへ』を体現しているSCだと思う。

MOVも描かれたアニメ映画の公開に合わせて屋内広場に設置されたフォトスポット
モリパークアウトドアヴィレッジも描かれたアニメ映画の公開に合わせて屋内広場に設置されたフォトスポット

「われわれの目的はそれぞれのブランドが世界観を示すこと。売上は大事だが、それよりもテナント各社がブランドイメージを展開し、アウトドアのファンを作っていきたいと考えている。この環境を楽しみながらモノも買っていただくようなコンセプトで商売している」(高橋氏)。

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