物価高でPBに変化と進化の兆し 「買いたくなる」商品の条件とつくり方とは
SPAが実現する独自性、「外販」の可能性も
「独自性」という観点で強いのが、SPA(製造小売)型の商品開発だ。これまでも本誌ではSPA企業の強さについてレポートしてきた。
たとえば前出の神戸物産はM&A(合併・買収)でメーカーを次々と傘下に収め、「食の製販一体体制」のもと、他社にないユニークな商品を次々と送り出し、支持を獲得している。

急速出店で業界中の注目を集めるロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)も、食品メーカーや卸を相次いで買収し、製造機能をグループ内に取り込んでいるSPA企業だ。ターゲットに据えるヤングファミリーに向けて「尖った」商品を続々と投入し、一般的な食品スーパーでは考えられない広域からお客を呼び込むことを可能にしている。
中間コストの削減、ニーズ変化への迅速な対応などSPAのメリットは多いが、最大の強みはやはり、「脱競争PB」を生み出せるという点だ。他チェーンにはない高い独自性を持ったPB商品があれば、「このPBがあるからこの店に行く」という状態をつくることができる。強いブランド力を持ったNB商品と売場内で競合することもなく、競争自体を回避できるというわけだ。当然、価格競争にも巻き込まれない。
それだけではない。本特集では、後述する「CGC商品」を調査するため、茨城県地盤のローカルチェーン、タイヨー(森田剛社長)の店舗を調査しているが、そこでは北海道を本拠とするコンビニエンスストア、セコマ(北海道/赤尾洋昭社長)のPBの牛乳を販売していた。
セコマも創業時からSPAを志向してきた企業の1つ。国内マーケットが人口減少で縮小に向かう中、自社の商勢圏だけで成長し続けるのは限界がある。独自性の高いPBがあれば、他チェーンあるいは海外への「外販」という可能性も拓けてくる。
「買いたくなるPB」のつくり方 の新着記事
-
2025/03/29
PB開発競争は成熟期に突入? 専門コンサル企業が提言するPB進化の方向性 -
2025/03/29
商圏拡大が商品進化を促す? ロピアのPB戦略最前線とは -
2025/03/28
物価高で存在感急拡大! 加盟店売場から見た「CGC商品」の底力とは -
2025/03/28
最強DS「ラ・ムー」にもインフレの波……“カテゴリー深掘り”で現状打破へ -
2025/03/27
組合員の“推し”を集める! 日本生協連のPB「コープ商品」の最新戦略 -
2025/03/27
簡便・即食、健康志向…… 業務スーパーのPBに大変化の兆し!
この特集の一覧はこちら [10記事]
