「進化系」登場で、中食で「アテ巻き」流行の予感!背景に寿司酒場ブーム
アテ巻き流行の背景
黒川氏も注目した「アテ巻き」が、知られるようになった背景には2017年〜2021年にかけて登場した「寿司酒場」「寿司居酒屋」業態の流行がある。
例えば大手寿司チェーン「スシロー」をグループに持つ「鮨・酒・肴 杉玉」(FOOD&LIFE INNOVATION/東京)や「や台すし」(ヨシックスフーズ/名古屋)、「立ち寿司横丁」(エー・ピーホールディングス/東京)といった店は全国に店舗数を拡大。他社の新たな寿司酒場業態も続々と誕生している。
いずれも高級寿司と回転寿司という二極化していた寿司業界の中間を狙い、食べて飲んでちょうどいい3000円〜5000円という予算が特徴。そして後継者不足や回転寿司の台頭、コロナ禍などで姿を消した町の大衆寿司に代わる使い勝手や寿司をつまみながら一人でも気軽に楽しめる業態がウケ、若年層とファミリー層が回転寿司を利用するのに対し、主に30代〜50代のビジネスパーソンに支持されている。
またこれらが発展し、現在20代〜30代の若年層に支持されている「カタカナスシ」が誕生。
「カタカナスシ」とは、寿司に創作性を加えたり、盛り付けやグラス、器使いにおいても「写真映え」を取り入れたりした店名がカタカナの寿司酒場で、「スシンジュク」「スシエビス」(共にスパイスワークス/東京)、「スシとツマミ シチフク」(エー・ピーホールディングス/東京)といった店がある。若年層が連日行列を作る人気となり、2022年の外食アワード(外食産業記者会主催)には、ムーブメントの火付け役となったスパイスワークスホールディングス代表取締役社長の下遠野亘氏が受賞した。