イオン、持続可能性への挑戦!PBチョコのフェアトレード構成比100%をどうめざすか

油浅 健一
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日本市場のフェアトレード認証カカオの販売量は世界のわずか0.16%

 中島氏はさらに、「環境・社会・人権に配慮した国際スタンダードレベル (フェアトレード)のカカオを生産してもそのうちの50%以上は通常貿易で売買され、生産者がコスト負担を強いられている」と指摘。その上で、 「日本市場におけるフェアトレード認証カカオの販売量は、 世界のわずか0.16%にすぎない」とし、フェアトレード認証カカオの国内におけるさらなる普及の必要性を訴えた。

 今回、同社が締結した覚書は、フェアトレードのカカオの調達量における拡大目標を設定し、 調達量拡大のため、 「国際フェアトレード原料調達制度」を活用していくもので、より人権を尊重した公平取引を推進していくことを示すものとなる。これに伴い、同社は、FLJと 協業し、普及活動も実施していく。

今後8年でPBチョコの構成比を100%に

 製品の認証制度を2004年から採用し、日本のフェアトレードを先行する同社は、今回のFLJとのカカオ調達に関する覚書締結に伴う拡大目標も発表。PBチョコレー ト全体に対する フェアトレード 構成比を2020年度までに25%、2025年度までに50%、そして2030年度までに100%とするマイルストーンを示した。

 併行して、商品計画として既存PB商品の売れ筋を中心に「国際フェアトレード 原料調達制度」で調達した原料へ切替えるとともに既存PB商品にはない新たなPB商品を開発し、その原料にフェアトレード認証原料 を使用するプラン明かした。

 さらにフェアトレードの普及活動も推進し、5月をフェアトレード月間として 従業員へのセミナー・研修の実施、学校教育との連携 ・地域連携も積極的に行い、活動の意義についても啓蒙を行っていくという。

制度活用した4製品をリニューアル

 また、国際フェアトレード原料調達制度を活用したトップバリューブランドのチョコレート、「アーモンド チョコレート」( 160g)「ひとくちミルク チョコレート」 (200g)「ひとくちクリーミー チョコレート」(184g)「ひとくちミルクピーナツチョコレート」(210g)の4製品をリニューアル。全品本体価格238円(+税)とし、価格は据え置かれる。

 海外では売場にフェアトレードの製品を扱う専門のコーナーが設けられるなど、広く浸透している同制度。日本でも社会の持続可能性へ関心は着実に高まりつつあり、今回の同社の取り組みがフェアトレード製品の普及の呼び水となる可能性は十分にありそうだ。

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