ハイポネックスジャパンは、2021年春商戦に向けて「プランティア」「ブリリアントガーデン」「今日から野菜」の3ブランドを新たに展開する。コロナ禍でガーデニングに関心を持つ人が増えるなか、「失敗しない」「手軽」をキーコンセプトに新たなラインアップで市場を深耕する。
園芸ビギナーに向けたまくだけでよく育つ肥料
今年春以降、新型コロナウイルスの感染拡大により、外出を控え、家庭で過ごす時間を重視する人が増えている。これに伴い、拡大する「巣ごもり需要」の1つとしてガーデニングへの注目度が高まりを見せている。
「とくに20歳代後半から40歳代前半の比較的若い年齢層の方が、家庭菜園やガーデニングを始めるケースが目立っています」。こう話すのは、ハイポネックスジャパンの取締役 家庭園芸部部長の桑田真也氏である。
同社では、ガーデニングに興味を持つ若い年齢層の増加を受けて、手軽で簡単に植物を育てられる製品の開発に注力。来春商戦に向けて、2021年春に3シリーズを新発売する。
1つは、性質の異なる4種類の粒をブレンドした、ばらまくタイプの粒状肥料「花と野菜と果実の肥料」だ。「はじめて植物を育てる人に」がコンセプトの「Plantia(プランティア)」という新ブランドの第1号商品で、経験や知識の少ない人でも、手軽かつ簡単にガーデニングを楽しめる。
同製品は、チッソ、リンサン、カリといった肥料の三大要素に加え、カルシウムなど微量要素、有機成分をバランスよく配合。その名のとおりさまざまな草花や野菜、果実の生育に適した製品に仕上げた。元肥と追肥のいずれにも対応するほか、夏に不足しがちなカリとカルシウムを多く配合することで、花や野菜が暑い夏を乗り越えるのをサポートする。
「たくさん咲く!たくさん実る!」というキャッチフレーズどおり、与えるだけでよく育つ。同社の研究開発センターで行った一般的な化成肥料との比較実験では、マリーゴールドは花がよく咲き、キュウリ、イチジク、イチゴなどはよく実るとの良好な結果が得られたという。
同社は、「Plantia」という植物を取り入れたライフスタイルを提案するWebマガジンを運営し、園芸愛好家から好評を得ている。今回、Webマガジンと同名のブランドを立ち上げることで、植物のある豊かな暮らしを幅広い人々に提案するねらいがある。今後は、Webマガジンと連携して有益な情報発信に取り組むほか、ターゲットとする園芸ビギナー層に向けた新しいプロモーションも計画中。また、ラインアップを拡充してブランド認知向上も図っていきたい考えだ。
上質感のあるデザインに一新!「ブリリアントガーデン」
次に紹介するのはバラ専用ブランドの「ブリリアントガーデン」。バラに特化した肥料や土、殺菌剤、殺虫殺菌剤などで構成しており、8アイテム10SKUを揃える。
今回「ブリリアントガーデン」を立ち上げた理由を、同社製品開発チームでチームリーダーを務める猪俣正道氏は次のように説明する。「花を育てている人にとって、バラはあこがれの存在。手をかければ手をかけただけ美しく咲かせることができるのも人気の理由です。そんなバラをうまく育てられる製品を総合的に提供することで、より多くの方々に喜んでいただきたいと考えました」。
同社では、以前からバラ専用シリーズを展開してきた。今回、「ブリリアントガーデン」を立ち上げるに当たり、既存のバラ専用シリーズを鮮やかなバラを基調としたデザインのパッケージに統一するとともに、「バラのまくだけ肥料」と「ハイポネックス原液 殺虫剤入り」を新たに加えることでラインアップの拡充を図った。
「バラのまくだけ肥料」は、有機と化成を配合したハイブリッド肥料。バラの生育に必要な成分をバランスよく配合し、さらに有機成分を配合している。リンサンを多く含み、根の張りをよくするほか、株を丈夫にし、大きい花を多く咲かせることができる。
「ハイポネックス原液 殺虫剤入り」は、水でうすめて株元に散布するだけで肥料やりとアブラムシ駆除を同時に行えるのが特長だ。
このほかにも同ブランドでは、あらゆるバラがよく育つ「バラの培養土」や、また黒星病やうどんこ病の予防効果と治療効果を兼ね備える殺菌剤「フローラガードAL」なども展開しており、目的や用途によって選ぶことができる。専用製品であるため、初めてバラにチャレンジする人にとっても安心感がある。パッケージのデザインを統一したことで、「売場でも見栄えがする」とホームセンター(HC)企業の仕入れ担当者の評判も上々という。
「本気野菜」とのコラボ
失敗しない家庭菜園を提案
「今日から野菜」シリーズは、苗や種などを扱うサントリーフラワーズの「本気野菜」とコラボレーションした新ブランドである。ビギナーでも失敗せず、手軽に家庭菜園を楽しめることをコンセプトにしている。
同製品の開発に当たっては、サントリーフラワーズから「本気野菜」のトマトやイチゴ、ピーマン、ナスといった苗の提供を受け、それらを使った数々の栽培試験を実施。試験結果をもとに「本気野菜」と最も相性のよい肥料と土を開発した。
「今日から野菜 野菜の肥料」は、野菜の生育に必要な成分と有機成分をバランスよく配合。野菜栽培で起こりやすいカルシウム欠乏症を防ぐほか、肥料不足を起こさないようゆっくり長く効き続けるのが特長だ。
「同 野菜を育てる土」は、赤玉土、鹿沼土、ピートモスといった天然素材や有機原料のみを使用。風で倒れにくいよう重たい配合にしており、袋のまま育てることも可能な設計となっている。
店頭販促ツールは、ボールプランター什器やミニのぼり、ミニPOPを用意。植物売場での「本気野菜」と連動した売場展開を提案していく予定だ。
ガーデニングへの若い年齢層の関心度が高まるなか、精力的に新ブランドを投入するハイポネックスジャパン。桑田氏は「HC企業さまには関連販売をはじめ、園芸ビギナーを含むより多くの方にとって満足度の高い売場づくりを提案させていただき、ガーデニング市場の活性化につなげていきたいと考えています」と意気込みを語ってくれた。