コロナ禍にも対応したイオンのPB「ホームコーディ」新商品 ニトリとの差は縮まったのか?

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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 また、「吸湿発熱機能」を備えた「ホームコーディヒート」シリーズでは、「保湿機能」が追加されたアイテムを展開。「保湿フランネル無地 置くだけ簡単敷きパッド(ゴムなし)」(1780円)など、合計22アイテムに保湿機能が追加される。

保湿機能が追加された「ホームコーディヒート」シリーズ
保湿機能が追加された「ホームコーディヒート」シリーズ

 そのほか、調理用品では「多機能2色鍋」(1~2人用:1980円)を発売。外出自粛により家庭で料理する機会が増えている昨今のトレンドを受け、寒い季節の鍋料理をより楽しめるように、1つの鍋で2種類の料理をつくることができる。

カタログをウェブへと移行

 今回のオンライン会見では、今後の販促戦略についても発表された。今秋から、写真投稿型SNS「インスタグラム」から9人のインスタグラマーを「アンバサダー」として起用。消費者目線で実際に商品を使用してもらい、商品開発に生かしていく。新商品発売前のモニター・アンケートのほか、ホームコーディ公式インスタグラム用の写真撮影や告知のシェアなどで協力を仰ぐ考えだ。

ホームコーディでは、一般消費者から選ばれた9人の「アンバサダー」の意見を取り入れ、商品開発に生かしていく
ホームコーディでは、9人の「アンバサダー」の意見を取り入れ、商品開発に生かしていく

 また、デジタル戦略としては、2020年秋冬からは店頭で配布していた商品のカタログをウェブへと移行する。コロナ禍で外出の頻度が減少するなか、30~40代のスマホユーザーを中心に接点を保つのがねらいだ。ウェブカタログ内の商品はECサイトへと直接つながるようになっており、商品の購入へとつなげていく。

 ホームコーディは現在、「イオン」「イオンスタイル」などの総合スーパーを中心に展開しているほか、海外では中国や香港、アセアン諸国などでも取り扱っている。今後はスケールメリットの観点から海外展開を強化するほか、国内でもあまり導入が進んでいないグループ傘下の食品スーパーやドラッグストアでの展開を進めていきたい考えだ。一方で、ホームファッションの世界で圧倒的な知名度と集客力を有するニトリとの差別化が、依然として今後の明確な課題となるだろう。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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