全国80万の飲食店が「メディア」に? ぐるなび×エプソンが手掛ける「ミセメディア」の可能性
イチ押しのメニュー訴求で客単価アップも

さらに、ミセメディアは他企業のCMを流すだけではなく、自店舗のプロモーションにも活用できる。例えば、「博多ほたる」を運営する企業が販売する「もつ鍋セット」の広告も配信している(広告のクリエイティブは店側で制作)。実際、来店客が店頭で「もつ鍋セット」を注文する動きも生まれているという。
また、同店が力を入れるメニュー「土鍋ごはん」を集中的に訴求することで、注文を増やし、客単価アップにつなげることができているという。「映像で見せるので、外国人観光客にとっても直感的にわかりやすく、注文が増えている」(吉田氏)と意外な効果もあるようだ。
こうした効果も手伝って、「博多ほたる 麻布十番店」では2025年2月の売上が通常の1.5倍を記録した。飲食店に共通の傾向だが、2月・8月は時期的にどうしても売上が落ちる。しかし、その落ち込みを軽減できたのも、ミセメディアの大きな導入効果といえるだろう。
広告収入を得るだけでなく、自店舗のプロモーションにも活用できるミセメディア。ほかにも期間限定のキャンペーンへの誘導、サンプリングと合わせた施策、系列店同士の相互送客、会員登録への誘導などさまざまな活用方法が考えられる。
「リーチ数という指標で見れば、当然WebやSNSにはかなわない。しかし、滞在時間や体験型のプロモーションができる点で、飲食店には大きなポテンシャルがある。現在の運用状況を見て、そのことに自信を深めている」と西本氏は力を込める。
飲食業界の中でも、居酒屋やバー・ビアホールはいまだにコロナ禍以前の7割前後の回復にとどまる(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。ミセメディアがその居酒屋を救うと言っては大げさだが、新たなサポートの一手として大いに期待される。





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